タイの市販オオバンガジュツにおける機能性ポリフェノール含量の季節変化

タイトル タイの市販オオバンガジュツにおける機能性ポリフェノール含量の季節変化
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2006~2006
研究担当者 Ladda Wattanasiritham(カセサート大
食品研究製品開発研究所(IFRPD))
中原和彦
伏見 力
発行年度 2006
要約  タイ国内の市場を流通するオオバンガジュツでは、主要な4つの機能性ポリフェノール成分の含量に一定の季節変化が観察される。その主な原因は、土中保留中におけるポリフェノール成分ごとの一定方向への含量の増減である。
背景・ねらい
 タイのショウガ科根菜オオバンガジュツは、抗変異原性等の機能性を示すポリフェノール成分(表1)を豊富に含み、それらを利用した新たな用途開発の可能性を有する。しかし、タイ市場を流通するオオバンガジュツ根茎のポリフェノール含有パターンには大きな変動が見られ、その実態把握がポリフェノール成分利用のためには不可欠である。本研究では、オオバンガジュツの主要な4つの機能性ポリフェノール成分(2,4,6-トリヒドロキシカルコン(THC)、ピノセンブリン(PC)、カルダモニン(CA)、ピノストロビン(PS))について、季節に伴う含量の変化とその原因を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. タイ国内の市場を流通するオオバンガジュツ根茎における各ポリフェノール成分の含量は、品種、栽培条件等に伴って様々であるが、市場流通品全体として見たときに、一定方向への季節変化が観察される。具体的には、その年の新物が採れる乾季前半に比べて、数ヶ月の土中保留を経る暑季では、フラバノンタイプのPC、PSが減少し、カルコンタイプのTHC、CAが増加する(図1、タイの季節とオオバンガジュツの栽培については図3参照)。
  2. オオバンガジュツ農家の圃場における同一サンプル群の調査でも、市場と同様に、乾季前半の新物に比べて、暑季における数ヶ月の土中保留後のものではPC、PSが減少し、THC、CAが増加した(表2)。また、乾季前半に収穫した新鮮なオオバンガジュツによる貯蔵試験でも同様に、3週間の貯蔵中にPC、PSが減少し、THC、CAが増加した(図2)。
  3. 以上の結果から、タイで栽培されるオオバンガジュツでは、土中保留中に根茎内でフラバノンタイプのPC、PSが開環し、カルコンタイプのTHC、CAに変換されるものと推定された。一般的にフラボノイドの生合成は、不安定なカルコンから安定なフラバノンへと代謝される経路を経るが、オオバンガジュツでは逆方向の変換が認められることから、その機構が注目される。カルコンとフラバノンはそれぞれ異なった機能性を示す可能性があることから、オオバンガジュツのこれら機能について今後の解明が期待される。

成果の活用面・留意点
  1. オオバンガジュツの機能性ポリフェノール成分に着目した利用を行う場合、タイにおいては、それぞれの成分ごとに、より高い含量の期待できる時期があるため(図1、表2)、収穫・購入の際に留意すると良い。
  2. オオバンガジュツ根茎は、収穫・購入後に貯蔵を行うことで、カルコン類(THC、CA)の含量をさらに高められる可能性がある(図2)。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004946
カテゴリ 機能性 栽培条件 しょうが せんぶり 品種

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