昼間の葉の相対含水率によるインゲンの高温・乾燥抵抗性系統の評価

タイトル 昼間の葉の相対含水率によるインゲンの高温・乾燥抵抗性系統の評価
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2001~2005
研究担当者 Ashok Kumar(CCSハリヤナ農業大学
インド)
庄野真理子
大前英
柏葉晃一
発行年度 2005
要約  高温や乾燥によりつるの伸長が大きく抑制される品種・系統ほど、インゲンの葉の相対含水率の低下が小さく、良好な光合成環境が保たれる。その結果として、種子収量の低下が抑えられる。
背景・ねらい
 熱帯・亜熱帯地域では、高温や乾燥が、インゲン栽培の制限要因となる。また、高温は植物の蒸散や土壌からの水分の蒸発を促すため、乾燥を引き起こす要因ともなる。従って高温や乾燥条件がインゲンの莢ないし種子収量に及ぼす影響やその生理的背景を明らかにすることは、インゲン栽培上重要である。またストレス抵抗性の生理的指標を見いだすことは、抵抗性系統の育種を効率的に行う上で有効である。そこで耐暑性の異なる無限伸長型のインゲンの品種・系統を用いて、高温や乾燥条件で栽培した時につるの伸長、葉の水分状態、気孔開度や種子収量がどのように変化し、それらの変化が品種や系統間差異に関連しているかどうかについて検討する。
成果の内容・特徴
  1. 土壌の乾燥に伴うつるの伸長抑制、木部圧ポテンシャルの低下と葉の相対含水率の低下との間の関係から、供試インゲン品種・系統は、2つのグループ(乾燥抵抗性グループと感受性グループ)に分けられる(図1)。
  2. 乾燥抵抗性グループ(ハイブシ、石垣2号、黒種衣笠)は、土壌の乾燥に伴ってつるの伸長が大きく抑制され、木部圧ポテンシャルも大きく低下するが、葉の相対含水率の低下は小さい。一方、感受性グループ(ケンタッキーワンダー、92783)は、土壌の乾燥に伴うつるの伸長抑制が小さく、木部圧ポテンシャルの低下も小さいが、葉の相対含水率の低下が大きい(図1)。
  3. 昼間の葉の相対含水率が大きい品種・系統ほど気孔コンダクタンスが大きく、良好な光合成環境が保たれている(図2)。
  4. 葉の相対含水率の朝(午前8時半)の値に対する昼間(午後1時半)の値の割合が小さい品種・系統ほど、着莢数の減少が抑えられるため、株当たりの種子収量の減少は小さくてすむ(図3)。
  5. これらのことから、高温や乾燥によりつるの伸長が大きく抑制される品種・系統ほど葉の水分状態が高く維持され、良好な光合成環境が保たれるため、結果として、種子収量の低下が抑えられる。

成果の活用面・留意点
  1. 高温、乾燥とは、着莢時の昼間の気温が30℃を超え、土壌水分(地面下0-30cm)が8%(w/w)未満を指す。
  2. 高温や乾燥ストレスが発生するような熱帯・亜熱帯地域に適した系統を選抜する上で、昼間の葉の相対含水率の低下は、有効な生理的指標として活用できる。
  3. 昼間の葉の相対含水率の低下を測定する時間帯は、それぞれの地域の気象条件に応じて設定する必要がある。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004928
カテゴリ 亜熱帯 育種 乾燥 耐暑性 抵抗性 品種

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