西アフリカ・サヘル帯農地の土壌肥沃度管理の現状

タイトル 西アフリカ・サヘル帯農地の土壌肥沃度管理の現状
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者 Abdoulaye Tahirou
松永亮一
真常仁志
田中 樹
林 慶一
発行年度 2005
要約  西アフリカ・サヘル帯では低肥沃度土壌における低位作物生産性が農業問題の中心であり、改善技術の開発は急務の課題である。通常、技術開発を行うためには、在来手法の定量的な評価による現状問題の把握が重要であるが、同時に農民が在来の手法を行うに至った背景を理解しなければ、実践できる技術を開発していくことは難しい。本研究は、サヘルの農民が持つ在来の土壌肥沃度管理手法に着目し、農地の肥沃度管理の現状を総合的に理解することを目的とする。
背景・ねらい  西アフリカ・サヘル帯では低肥沃度土壌における低位作物生産性が農業問題の中心であり、改善技術の開発は急務の課題である。通常、技術開発を行うためには、在来手法の定量的な評価による現状問題の把握が重要であるが、同時に農民が在来の手法を行うに至った背景を理解しなければ、実践できる技術を開発していくことは難しい。本研究は、サヘルの農民が持つ在来の土壌肥沃度管理手法に着目し、農地の肥沃度管理の現状を総合的に理解することを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 調査地における農地の肥沃度管理は、集約的方法と粗放的方法に分けられる。前者は現地で供給可能な有機物の種類により、さらにリサイクリングシステム(家庭ごみ及び厩肥)及びコラリングシステム(家畜の夜間の繋留により糞尿を畑に還元)に分けることができる。後者は休閑システムであり、3年の休閑と6年のトウジンビエ栽培の組み合わせが主体となっている。
  2. 調査対象とした259農地、2,430haの内、休閑システムで管理されている農地の占める割合が一番高く66%で、次いでコラリングシステムが18%、リサイクリングシステムが16%であった。
  3. 分布割合が最も高い休閑システムにより管理されている農地は、ECECや全窒素濃度が他のシステムに比べ低く低肥沃度土壌であることがわかる。そのため収量が低く、肥培管理における改善の必要性が示された(表1)。
  4. リサイクリングシステムにおける有機物の投入は乾季に行われる。家庭ごみ及び厩肥等の運搬はバケツや台車で行うため広範囲への施用は難しく村周辺に限られる。一方、コラリングシステムは収穫後の農耕民の畑で遊牧民により家畜を使って行われる。農村集落にあまり隣接せず、家畜への水の確保が容易な農地が対象となる。村から離れ周辺に水へのアクセスがない農地が休閑システムで管理される。
  5. 調査地における肥沃度管理システムの分布には村からの距離との関連性が確認された(図1)。在来の土壌タイプと距離を説明変数とした多変量回帰分析からも距離が肥沃度管理を決定するより大きな要因であることが示された(図2)。

成果の活用面・留意点
  1. サヘル帯において、現地の状況に適した技術開発を行うために必要な基礎的情報を提供する。
  2. 現状で利用可能な牛糞等の在来有機物資源を適地利用し、また利用が進んでいないマメ科植物や風成物質等の有機物資源利用による休閑システム回復のための技術開発を促進する。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004912
カテゴリ 管理システム くり 肥培管理

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