出穂特性の異なる小麦 8 品種が持つ Vrn および Ppd 遺伝子

タイトル 出穂特性の異なる小麦 8 品種が持つ Vrn および Ppd 遺伝子
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2002~2005
研究担当者 加藤鎌司(岡山大学)
高木洋子
佐藤光徳
松岡誠
谷尾昌彦
田村泰章
発行年度 2004
要約 〔Vrn遺伝子について、小麦品種「フクワセコムギ」、「ゼンコウジコムギ」、「Schomburgk 」はそれぞれVrn-D1、Vrn-D1、Vrn-A1を持つ。
背景・ねらい 小麦の品種育成において出穂期は重要な形質のひとつである。出穂期を決定する重要な遺伝子として、低温要求性に関係するVrn遺伝子(Vernalization-insensitive
gene
:秋播性を春播性にする遺伝子)と日長反応性に関係するPpd遺伝子(Photoperiod-insensitivegene:長日性を中性にする遺伝子)が知られている。しかし、日本品種について、Vrn遺伝子型は多くの品種で不明であり、また、Ppd遺伝子型は明らかにされていない。そこで、日本品種の「農林59号」(vrn:秋播性)、「農林67号」(vrn)、「農林61号」(Vrn-D1)、「フクワセコムギ」、「ゼンコウジコムギ」、「埼玉27号」(Vrn-A1)、「ハルヒカリ」(Vrn-A1Vrn-B1)、オーストラリア品種の「Schomburgk」のうち未同定の3品種が持つVrn遺伝子と8品種が持つPpd遺伝子を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 既知系統に対する対立性検定の結果、「フクワセコムギ」、「ゼンコウジコムギ」、「Schomburgk
    」はそれぞれVrn-D1、Vrn-D1、Vrn-A1を持つ(表1)。
  2. 緑体春化処理(5℃・8時間日長条件の70日間)後の20℃・24時間日長条件における到穂日数は18~27日で品種間差が小さい。一方、緑体春化処理後の20℃・8時間日長条件における到穂日数は「フクワセコムギ」26日、他6品種34~42日、「ハルヒカリ」80日で品種間差が大きい(図1)。したがって、緑体春化処理後の20℃・8時間日長条件における到穂日数は、低温要求性とは関係なく、日長反応性の大きさの指標となる。
  3. 8品種間の交配組合せにおける日長反応性のF2・B1F1分析の結果、「ハルヒカリ」はPpd主働遺伝子を持たず、「農林59号」、「農林67号」、「農林61号」、「ゼンコウジコムギ」、「埼玉27号」、「Schomburgk」の6品種は1個の同じPpd主働遺伝子を持ち、「フクワセコムギ」は2個のPpd主働遺伝子を持つ(図1・表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 品種が持つVrnおよびPpd遺伝子に関する情報は品種育成に役立つとともに、分子遺伝学的研究に利用できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004901
カテゴリ 小麦 低温要求性 品種

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