ケニア産オオタバコガに対する有用天敵2 種の寄生特性

タイトル ケニア産オオタバコガに対する有用天敵2 種の寄生特性
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2002~2004
研究担当者 中村 達
発行年度 2004
要約 〔ケニアのオオタバコガHelicoverpa armigera幼虫に対して、捕食寄生性昆虫であるヤドリバエ2種(Drino zonata, Linnaemya
背景・ねらい 持続的で環境に配慮する観点から、土着天敵を利用した作物害虫に対する生物的防除が近年注目されてきている。オオタバコガHelicoverpa
armigeraは野菜や穀物、その他換金作物等幅広い作物に大被害を与える世界的な重要害虫であることから、北米を中心にその天敵を含め多くの研究が行われてきた。しかし、アフリカではその重要性にもかかわらず、これまであまり研究は行われていない。ケニア国内数カ所での我々の野外調査により、数種の捕食寄生性昆虫がオオタバコガに対する重要な天敵として個体数調節に大きく関与していることが予想された。このため、圃場内でのオオタバコガと捕食寄生性天敵の発生消長を追跡するとともに、室内飼育法を確立しつつ、寄生特性について調査を行った。
成果の内容・特徴
  1. ナイロビ大学カベテキャンパス内に約1haのキマメ圃場を設け、オオタバコガ幼虫とその捕食寄生性天敵の周年に渡る個体数変動を約3年に渡り調べた結果、2種のヤドリバエDrino
    zonataとLinnaemya
    longirostrisがオオタバコガ幼虫の個体群密度調節に大きく関与していることが明らかになった(図1)。
  2. 種々の恒温条件下で飼育した結果、D.
    zonataは低温に弱く15℃以下では寄主体内で生育できないことが明らかになった(図表略)。野外での最低気温が15℃を下回る5月から翌年1月にかけて寄生率が低下する一因と推測された(図2(b))。
  3. 室内(27℃、60±5%RH、12L-12D)で同一寄主に対して48時間の時間差を設けて寄生させ、羽化率により2種の天敵の競争力を調べた結果、ややL.
    longirostrisがD.
    zonataに勝る傾向が見られたものの、寄主をめぐり共倒れしないことが明らかになった(図3)。
  4. この2種の天敵では、D. zonataは初期に、L.
    longirostrisは1年を通じて高い寄生率を示し(図2)、共倒れしないことから、オオタバコガ幼虫の天敵として有望と考えられた。
成果の活用面・留意点
  1. 天敵の放飼を考える場合には、標高や温度条件等、環境要因を考慮する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004893
カテゴリ 害虫 生物的防除 土着天敵

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