水稲の耐倒伏性関連形質のQTL 解析

タイトル 水稲の耐倒伏性関連形質のQTL 解析
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2002~2003
研究担当者 郭龍彪(中国水稲研究所)
呉偉明
銭前
曾大力
董国軍
藤本寛
飛田哲
発行年度 2003
要約 インディカ・ジャポニカ交配後代のはそれぞれ複数の染色体上に散在し、押し倒し抵抗値ではQTL は第7,8 染色体上に存在する。
背景・ねらい インディカとジャポニカが交互に作付けされる中国江南地方の二期作において、倒伏はこぼれ種によって次作に重大な影響を与える。さらに近年では、産業構造の変化によって直播栽培が急速に広まっており、ころび型倒伏の発生が問題となっている。このため、地上部形質のみならず根系も含めて耐倒伏性の機作を解明し、耐倒伏性品種を育成することが求められている。そこで、インディカ・ジャポニカ交配(窄葉青8
号/ 京系17)後代のDH 系統(供試系統数127)を用いて、押し倒し抵抗値や根系形態など耐倒伏性に関連する形質のQTL 解析を行う。
成果の内容・特徴
  1. 倒伏程度との相関は、稈長、重心高、地上部重、地上部モーメントの地上部形質、次いで地上部重で除した押し倒し抵抗値、TR 率が強く、根系形態及び根活性は弱い。押し倒し抵抗値との相関は到穂日数>地上部形質>根系形質の順に強い。(表1

  2. 倒伏程度のQTL は第2,6 染色体上にあり、第6 染色体上のQTL はTR 率のQTL一つと同じ位置である(表2
    、図1 )
  3. 稈長のQTL は第4,8,10,12 染色体、重心高のQTL は第4,8,9,10 染色体上にあり、第4,8,10 染色体上のQTL
    は両者が同じ位置である。他の形質(根系形態、根活性、押し倒し抵抗値、倒伏指数、到穂日数、地上部形態)も各々複数のQTL が複数の染色体上に散在する。(表2
    、図1 )
  4. これらのQTL を、各形質と倒伏程度との相関係数の正負号と各QTLAdditive Effect正負号により、耐倒伏性を増加させるQTL
    と減少させるQTL に分類すると、ゲノム上で分布が鮮明に分かれる。増加させるQTLは第3,5,6,7染色体上、減少させるQTLは第1,2,4,8,9,10,12染色体上に偏在する。(図1
成果の活用面・留意点
  1. 得られた情報に基づき、耐倒伏性を増減させる領域を置き換えた材料を開発することにより、その効果の研究に活用できる。
  2. 1 つの集団での成果であり、他集団での反復が望まれる。
  3. 稈長が耐倒伏性に与える影響は大きいので、稈長をそろえた材料を開発し、更に解析を進める必要がある。
カテゴリ 直播栽培 水稲 品種

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