中国・亜熱帯地域に適する多収・高品質夏キュウリ品種の育成

タイトル 中国・亜熱帯地域に適する多収・高品質夏キュウリ品種の育成
担当機関 国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 1991~1993
研究担当者 森下昌三
藤野雅文
飛騨健一
中島武彦
羅少波
周微波
李智軍
羅戦勇
発行年度 1993
要約 中国・亜熱帯地域の夏野菜の不足を解消するために、当地域に適する多収・高品質 キュウリ品種の育種を行い、既存の「夏青2号」よりも耐暑性・耐病性に優れ多収で品質の良い「雑交1号」、「雑交2号」及び「雑交3号」の3つの優良F1系統を育成した。
背景・ねらい 亜熱帯に属する中国・広東省では夏野菜が恒常的に不足している。重要な夏野菜の1つであるキュウリの主要品種「夏青2号」は収量が低く、苦味果が発生するなどの欠点があり、改良が必要である。そこで、この地域の夏キュウリの生産安定を図るために、「夏青2号」よりも多収で高品質のキュウリ品種の育成を図った。
成果の内容・特徴
  1. 華南型品種は耐暑性、耐病性、草勢は強いが、収量が低く、品質が劣った。日本品種は華南型と華北型の中間型に属し、果実が細長くて品質が良い特長を持つが、耐暑性、耐病性が劣る欠点がある。台湾品種は華南型に属して耐暑性、耐病性が強い上に、比較的品質が良いために、広東地域のキュウリの育種素材として適していると考えられた(表1)。
  2. 雑種強勢を利用したF1品種の採種省力化のために、種子親には雄花のない雌性系統が必要であった。そこで、耐暑性、耐病性が強く、雌花率が高いF1品種の「夏青2号」に自殖と選抜を繰り返した結果、F9世代目で雌花率が90%以上の雌性系統を得ることができたので、これを「GE」と命名した。
  3. 「GE」を種子親にして、優良な台湾、日本、中国品種及びそれらから育成した自殖系統を花粉親にして交配組合せ試験を行い、「雑交1号」(写真1)、「雑交2号」(写真2)及び「雑交3号」(写真3)の3つの優良F1系統を育成した。これらのF1系統は、いずれも対照品種の「夏青2号」に比べて株当り着果数が多くて収量が高く、苦味果の発生が少ない。また、一果重は大きくて果長がやや長い特長を持ち、耐病性は「夏青2号」と同程度に強い。「雑交1号」及び「雑交2号」は「夏青2号」よりも第一雌花着生節位が低く早生である(表2)。地域適応性検定試験の結果、新系統は「夏青2号」に比べて収量が平均30~40%程度高かった。
成果の活用面・留意点 育成したF1系統は華南地方の夏キュウリ品種として有望であり、普及が期待される。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004787
カテゴリ 亜熱帯 育種 きゅうり 省力化 耐暑性 品種

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