抗菌性ラディシン遺伝子を導入した遺伝子組換えイネ

タイトル 抗菌性ラディシン遺伝子を導入した遺伝子組換えイネ
担当機関 富山県農業技術センター
研究課題名
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 カイワレダイコン種子中に存在する抗菌性タンパク質ラディシンの遺伝子を単離・解析し、水稲育成系統である富山36号を用いていもち病耐病性を示す遺伝子組換えイネ系統を作出した。
背景・ねらい 遺伝子組換え技術による有用遺伝子の導入により、新たな性質を付与した組換え作物が育成され商品化している。水稲では、主要病害であるいもち病に対して、いもち抵抗性遺伝子による育種が従来から行われているが、抵抗性の崩壊により新たな被害が生じることが知られている。そこで、本研究では抗菌性遺伝子の導入により耐病性に優れたイネを育成するため、形質転換体の作出を試みる。
成果の内容・特徴
  1. カイワレダイコンの種子を材料に、RT-PCR法により抗菌性遺伝子をクローン化した。
  2. DNA塩基配列の解析により推定されたタンパク質のアミノ酸配列を明らかにし、ラディシン(radisin)と名付けた(図1)。
  3. 大腸菌内での発現により、ラディシンは大腸菌に対して強い細胞分裂阻害活性を示した。また、イネいもち菌を用いた生育阻害実験により、ラディシンの抗菌活性が明らかにされた(図2)。
  4. 遺伝子導入のためラディシン遺伝子およびハイグロマイシン耐性遺伝子等を用いたバイナリーベクターを構築した(図3)。
  5. アグロバクテリウム法により水稲育成系統富山36号にラディシン遺伝子を導入し、形質転換体(T0)を得た。その自殖後代(T1)のゲノミックサザン分析により、ラディシン遺伝子の導入を確認した。
  6. いもち菌胞子の接種試験(検定50個体、使用菌株名;研53-33、レース;137.1)により、罹病率は非形質転換体で87%、形質転換体(T1)で2%の値を示し、形質転換系統はいもち菌耐性を示した(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本研究で用いたラディシン遺伝子は、細菌および糸状菌(大腸菌およびいもち菌)に対して生育阻害活性を示すが、それ以外の個々の病原菌に対しての阻害活性の程度は不明である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004542
カテゴリ 育種 いもち病 かいわれ 水稲 だいこん 抵抗性 抵抗性遺伝子

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