タイトル |
極早咲き鉢物・花壇用オリエンタル系ユリ新品種「S91-507」 |
担当機関 |
富山県農業技術センター |
研究課題名 |
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研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
早咲きの鉢物用オリエンタル系ユリ品種の育成を目標に昭和62年に交配し、胚培養によって「S91-507」を育成した。露地栽培において、開花期が早く、草姿がわい性で鉢物、花壇用に適する。また、加温栽培を行うことによって切り花用としても利用できる。
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背景・ねらい |
オリエンタル系品種は栽培期間が長く、病害虫防除等の栽培管理の負担が大きいという問題がある。また、近年鉢物ユリの需要が増えつつあるため、早咲きの鉢物用オリエンタル系品種の育成を目標とした。
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成果の内容・特徴 |
- (1)育成経過
- 昭和62年にオリエンタル系品種の「スターゲーザー」にオトメユリを交配し、胚培養によって育成した。この系統は、りん片培養によって増殖するとともに特性検定(露地、促成、抑制栽培特性、増殖特性、病害抵抗性)を行った結果、優良と判定されたので、平成8年に品種登録の申請を行った。
- (2)特性の概要
- ア.花は淡いピンク色で、オリエンタル系では数少ない小輪である。露地での草姿はわい性である(表1)。
- イ.露地開花期は5月下旬の極早咲きで、オリエンタル系品種の中で最も開花期の早い「ルレーブ」と比べても約1ヶ月早いため、早期の出荷が可能である(表1)。
- ウ.りん片繁殖による増殖率が高い(表2)。
- エ.促成栽培または抑制栽培の際に加温栽培を行うと、短い到花日数で切り花生産も可能である(表3、4)。
- オ.葉枯病、球根の腐敗症状などは特に認められず、病害抵抗性は高いと考えられる。また、促成、抑制栽培において、葉焼け等の生理障害症状は認められていない。
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成果の活用面・留意点 |
- (1)球根生産ではユリ球根生産地全域に適応する。栽培期間が短いため、球根の早期出荷が可能なほか栽培管理労力の軽減、病害虫被害を受ける機会の減少などの利点がある。
- (2)鉢物生産では、露地または無加温栽培を行う。
- (3)促成、抑制栽培ではユリ切り花生産地全域に適応する。切り花生産では、16cm球以上を用いて温室栽培を行い草丈を長くとるようにする
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004420 |
カテゴリ |
害虫
栽培技術
出荷調整
新品種
生理障害
繁殖性改善
品種
病害虫防除
病害抵抗性
ゆり
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