砂質乾田における緩効性肥料を用いた全量基肥施肥栽培のための生育診断法

タイトル 砂質乾田における緩効性肥料を用いた全量基肥施肥栽培のための生育診断法
担当機関 富山県農業技術センター
研究課題名
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 コシヒカリの全量基肥施肥栽培を導入する初期の段階で、収量と玄米品質を安定させるため、まず目標となる着粒数を設定する。目標着粒数を確保するために、幼穂形成期に草丈×茎数×葉色の値で生育診断を行い、栽培管理の指標とする 。
背景・ねらい コシヒカリに全量基肥施肥技術を導入する場合、当初2~3年の期間では、施肥量の過不足により収量や品質が不安定になりやすく、その対応策を検討するためには生育診断技術が必要となる。緩効性肥料を用いた全量基肥施肥栽培では葉色の推移が慣行の分施栽培と異なり、最高分げつ期から幼穂形成期頃まで濃く推移するため(図1)、従来の分施栽培を前提とした診断技術は、利用できない。そこで、砂質乾田における全量基肥施肥栽培を対象に、幼穂形成期における生育診断法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. (1)精玄米重および玄米窒素濃度は、平方メートルあたり着粒数と正の相関を示す(図2、図3)。
  2. (2)完全粒割合は、平方メートルあたり着粒数と曲線回帰でき、平方メートルあたり着粒数が27000~28000程度で最高に達する(図4)。
  3. (3)平方メートルあたり着粒数は、幼穂形成期における草丈×茎数×葉色の値と正の相関を示す(図5)。その回帰直線は、慣行分施の場合と明らかに異なる(図5)。
  4. (4)以上の結果より、収量、玄米窒素濃度および完全粒割合の目標を調整すれば目標とする 着粒数を設定することができる(図2、図3、図4)。例えば、3項目の目標を玄米窒素濃度 1.3 %以下(目標着粒数:28000粒/平方メートル以下)、完全粒割合80%以上(27000~28000)、 収量550g/平方メートル(25000以上)の順で優先させると、目標着粒数は27000~28000粒/平方メートルとな る。目標着粒数が決まれば、幼穂形成期の草丈×茎数×葉色の値を用いて稲体の生育を 診断することができる(図5)。
成果の活用面・留意点
  1. (1)地力の低い砂質乾田を対象に配合された肥料(速効性肥料、緩効性肥料のリニア40日タイプおよびシグモイド100日タイプの3種の窒素肥料を3:2:5に配合)を利用したコシヒカリの全量基肥施肥栽培に適用する。
  2. (2)葉色の測定は、葉緑素計(SPAD-502)を用いて主茎の完全展開第2葉を対象に行う。
  3. (3)診断により着粒数の不足が予測される場合には、着粒数の増加を目的とした追肥が必要となる。また、着粒数の過剰が予測される場合は、水管理や倒伏軽減剤によって過剰生育を制御する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004375
カテゴリ 栽培技術 診断技術 生育診断技術 施肥 水管理

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