酒造好適米「吟風」「彗星」向けの品質目標、生育指標および栽培技術

タイトル 酒造好適米「吟風」「彗星」向けの品質目標、生育指標および栽培技術
担当機関 道立上川農試
研究課題名
研究期間 2004~2008
研究担当者 佐々木亮
後藤英次
発行年度 2008
要約 酒造好適米「吟風」・「彗星」に対するタンパク質含有率・千粒重の目標値はそれぞれ6.8%未満24g以上、6.8%未満25g以上であり、対応する生育指標、移植時期(上川中央部において成苗を移植する場合で5月6半旬)、施肥法、収穫適期等を示す。
キーワード 酒造好適米、栽培、タンパク質含有率、千粒重、移植時期、登熟温度
背景・ねらい
    酒造好適米「吟風」、「彗星」の品質実態と栽培特性に基づく品質目標、生育指標を検討するとともに、それらに対応する栽培技術を明らかにし、道産酒造好適米の品質改善対策の確立を目指す。
成果の内容・特徴
  1. 「吟風」「彗星」のタンパク質含有率や千粒重、心白発現は年次間や産地間の変動が大きい(図1)。特にタンパク質含有率および千粒重は優先すべき改善点である。
  2. 品質目標を吟風はタンパク質含有率6.8%未満千粒重24g以上、彗星はタンパク質含有率6.8%未満千粒重25g以上として、これを満たす時の標準的な「吟風」「彗星」の生育を示す生育指標は、いずれの品種も幼穂形成期茎数が520本/m2、穂数が500本/m2、総籾数は「吟風」28千粒 /m2「彗星」27千粒 /m2、精玄米重は「吟風」590kg/10a「彗星」610kg/10aとする(表1)。
  3. 出穂早限算出に利用される出穂前24日以降30日間日最高最低平均気温(日最高気温と日最低気温の平均から求めた平均気温)はタンパク質含有率および千粒重と相関があり、品質目標のため「吟風」20.5℃以上、「彗星」20.0℃以上が必要である(図2)。
  4. 上記の気温を満たし、さらに「吟風」「彗星」の収穫適期である出穂後の平均気温積算温度1050℃から1100℃を確保できる出穂日は、上川中央部で7月6半旬、空知中南部で7月6半旬から8月1半旬である(図3)。この出穂日に対応する移植日は、上川中央部において成苗を移植する場合で5月6半旬、中苗で5月20日頃、空知中南部で成苗の場合は5月5半旬~6半旬である。苗の種類の選択あるいは移植日の調整は、「吟風」「彗星」の千粒重の向上およびタンパク質含有率の低減に有効である。
  5. 施肥試験の結果から、窒素ならびに加里の施肥は標準量が適当である。
  6. 側条施肥の導入は、タンパク質含有率低減が優先される場合に有効である。
  7. 栽植密度は初期生育不良の条件において、タンパク質含有率低減が優先される場合、機械移植基準上限まで高めることが有効である。
  8. これらの技術を組み合わせることにより、「吟風」「彗星」の千粒重の向上およびタンパク質含有率の低減が実現し、道産酒造好適米の品質が改善する。
成果の活用面・留意点
  1. 酒造好適米生産現場に活用する。
  2. 移植日を調整する際には、苗を老化させないよう育苗計画に留意する。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「酒造好適米「吟風」「彗星」の栽培特性と品質改善対策」(普及推進)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004216
カテゴリ 育苗 栽培技術 酒造好適米 施肥 品種

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