アシグロハモグリバエの発生生態とてんさいを主対象にした防除対策

タイトル アシグロハモグリバエの発生生態とてんさいを主対象にした防除対策
担当機関 道立中央農試
研究課題名
研究期間 2007~2008
研究担当者 岩崎暁生
武澤友二
発行年度 2008
要約 北海道の施設内、露地てんさいほ場におけるアシグロハモグリバエの発生生態、本種に対する効果的薬剤を明らかにした。てんさいでは、7月中旬~8月上旬を重点時期として、昆虫成長制御剤による防除を行うことで、効果的に被害を抑制することができる。
キーワード てんさい、アシグロハモグリバエ、発生生態、防除対策
背景・ねらい
    アシグロハモグリバエは、平成13年に北海道で日本における初発生が確認された侵入害虫である。本種は広食性で薬剤抵抗性を持った難防除害虫であり、北海道内ではてんさいを主体とする畑作物、施設内の葉菜類、果菜類などで被害が発生している。そこで、本種の北海道内における発生生態を明らかにし、てんさいにおける防除対策を確立する。
成果の内容・特徴
  1. アシグロハモグリバエの耐寒性は低く(図1)、北海道において越冬はビニールハウスなどの施設内に限られる。施設内で密度が増加した後の6月に露地ほ場に進出し、てんさいほ場では7~8月にかけて密度が高まり、被害は8月以降に増加する(図3)。
  2. てんさい中位葉の被害程度が75程度に高まった場合、根重、糖分共に低下し、糖量で8%程度の減収となる。減収するのは被害程度で60を上回る場合であり、これは被害株率、被害葉率共に90%以上の状態である。
  3. アシグロハモグリバエに対して効果的な薬剤は、昆虫成長制御剤(IGR剤)、ネライストキシン系薬剤などに限られ、有機リン系、合成ピレスロイド系、ネオニコチノイド系剤の中に効果的なものはない。てんさいの登録薬剤で、フルフェノクスロン乳剤4,000倍、ルフェヌロン乳剤3,000倍、ノバルロン乳剤3,000倍は、本種に対して被害抑制効果がある(表1)。
  4. てんさいにおけるアシグロハモグリバエ防除開始は7月中旬を基本とし、ほ場内で幼虫被害が増加し始める8月上旬までの7月中旬~8月上旬が重点防除時期と結論づけられる。この期間のIGR剤10日間隔2~3回散布により、無防除での被害程度48のほ場で、被害程度を9.5~16.0程度に止めることができる(図2)。
  5. てんさいでは、IGR剤をヨトウガ第1世代産卵期、第2世代幼虫発生前(7月中旬以降)に散布した場合、ヨトウガ第1、第2世代幼虫に対してそれぞれ高い防除効果がある。これにより、アシグロハモグリバエとヨトウガの同時防除が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 本成績は、アシグロハモグリバエ既発生地における対策に活用する。未発生地では、侵入・発生時の対応が遅れないよう、早期発見に努める。
  2. 施設での越冬個体群の密度増加抑制にあたっては、平成15年度発生予察情報特殊報第1号、平成19年度指導参考事項「平成18年の発生にかんがみ注意すべき病害虫」を参考にする。
  3. IGR剤を散布した場合でも、ヨトウガの被害が進展した場合には追加防除を実施する。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「てんさいのアシグロハモグリバエ防除対策」(普及推進)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004195
カテゴリ 害虫 耐寒性 抵抗性 てんさい 防除 薬剤

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