搾乳ロボットを導入した酪農経営モデル

タイトル 搾乳ロボットを導入した酪農経営モデル
担当機関 道立根釧農試
研究課題名
研究期間 2003~2008
研究担当者 山田輝也
岡田直樹
発行年度 2008
要約 搾乳ロボットを導入した持続的な経営モデルはアブレストパーラーとの併用方式であり、投資を自己資金で行い、経産牛1頭あたり乳量を10,000kg以上にする必要がある。
キーワード 搾乳ロボット、経済性、経営モデル
背景・ねらい
    北海道において搾乳ロボットは、2008年2月現在で106の経営に導入されている。導入開始から10年程度経過しており、現在、経営展開の可能性や条件を明らかにすることが重要な段階にある。そこで、搾乳ロボットを導入した酪農経営の展開方向を経営モデルとして策定する。
成果の内容・特徴
  1. 33戸の概況調査から搾乳ロボットの導入目的を区分すると、(A)労働負担軽減、(B)飼養頭数拡大、(C)部門間の労働調整、(D)その他の4タイプがみられ、特に(A)、(B)タイプが多い。導入経営は二世代経営が全体の70%(23戸)、また導入形態は他の搾乳方式を併用する場合が70%(24戸)を占めている。導入経営平均で出荷乳量947t、所得1,512万円が目標とされている(表1)。
  2. 5戸の実態調査から搾乳ロボット導入に伴う労働の変化を解析すると、ア)労働力1人当たり飼養管理労働時間が1,800時間以下へ短縮、イ)パソコン操作など管理労働の割合が7.2~21.2%へ増加、ウ)搾乳作業における組作業の解消、エ)作業時間帯の設定の柔軟化がみられる。搾乳ロボット1台を利用し、経産牛70頭と哺育・育成牛49頭を飼養する場合の年間労働時間は2,170時間であり(表2)、労働力1人で対応できる水準である。
  3. 搾乳ロボットの導入形態別に経済的な導入基準を示す(表3)。二世代経営で所得750万円以上を実現する場合は、搾乳ロボットとアブレストパーラーの併用、もしくは搾乳ロボット2台の導入が必要である。乳価75円/kgの場合、経産牛1頭あたり乳量を9,000kg、乳価が70円/kgまで低下した場合は、経産牛1頭当たり乳量10,000kg以上が必要である。
  4. 経済的な導入基準に基づき、3つの経営モデルを策定する(表4)。モデルⅠは搾乳ロボット単用とし、省力化を図り労働力1人で営農する「ワンマンファーム」、モデルⅡは搾乳ロボットとアブレストパーラーを併用し、後継者のない経営が軽労化を図りつつ営農を持続する「単世代農場」、モデルⅢは搾乳ロボットとアブレストパーラーを併用し、多頭化し家族労働力で出荷乳量1,000tを実現する「1000t農場」である。このうち、モデルⅢが二世代の持続的な経営モデルである。
成果の活用面・留意点
  1. 本成績は1Boxタイプの搾乳ロボットについて検討したものである。
  2. 搾乳ロボット導入のもとで、経営全体の技術体系が転換されるため、経営全体の設計をおこない、増頭や農地の集積を事前に行うことが重要である。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「搾乳ロボットを導入した酪農経営モデル」(指導参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004189
カテゴリ 経営管理 経営モデル 軽労化 飼育技術 出荷調整 省力化 乳牛 ロボット

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