交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種)肥育牛における筋肉水腫低減対策および尿石症検出の指針

タイトル 交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種)肥育牛における筋肉水腫低減対策および尿石症検出の指針
担当機関 家畜研究部
研究課題名
研究期間 2005~2008
研究担当者 川本 哲
伊藤めぐみ
桜井由絵
谷川珠子
及川 学
山本裕介
発行年度 2008
要約 交雑種肥育牛において、筋肉水腫の発生はビタミンA不足飼料の給与期間を11~19か月齢から14~20か月齢に変更すると低減する。尿石症の検出の目安は排尿困難の症状とともに血中尿素窒素20(mg/dl)以上で、予後不良の目安は68.8(mg/dl)以上である。
キーワード 交雑種、筋肉水腫、ビタミンA、尿石症、血中尿素窒素
背景・ねらい
    筋肉水腫と尿毒症は、肉用牛の枝肉全部廃棄の主な理由である。筋肉水腫対策として、交雑種肥育牛でのビタミンA給与法を示す。また、尿毒症の主要因である尿石症について、従来の尿石症検出法の問題点を明らかにし、新たな点検項目による尿石症検出の指針を示す。
成果の内容・特徴
  1. 交雑種肥育牛は、ビタミンA不足飼料を11か月齢から19か月齢まで給与すると、筋肉水腫が多発する(図1)。ビタミンA不足飼料の給与を14か月齢から20か月齢に変更すると、筋肉水腫は低減する。
  2. 筋肉水腫少発時期の牛群は月齢による血清ビタミンA値が負の一峰性に変動するが、多発時期では少発時期に比べ、早期の欠乏およびビタミンA給与後においても欠乏がみられる(図2)。
  3. これらの結果より、筋肉水腫の発生要因は肥育前期からの長期に及ぶビタミンA摂取不足であり、低減には少発時期のビタミンA給与法(図1)をもとに、適切なビタミンA摂取の確保が重要である。さらに、多発時期にみられるように、ビタミンAを給与しても血清ビタミンA値が低値であることもあるので、少発時期のような血清ビタミンA値変動パターン(図2)を確認する牛群のモニタリングを実施する。
  4. 陰毛の結石析出による一般的な目安での尿石症の検出率は33%(4/12頭)と低い(表1)。これに対して、排尿困難症状は尿石症全頭にみられ、尿石症の検出法として、より有効である。
  5. 尿石症牛で、その後の治療結果で治癒牛と死亡牛に分けた場合、治癒牛と死亡牛の初診時血中尿素窒素(BUN)はそれぞれ27.3±20.7と120.1±60.8(mg/dl)で、死亡牛は治癒牛に比べて高い(p0.01)。また、尿石症牛は治癒牛と死亡牛ともに、健常牛のBUN 14.3±2.8(mg/dl)と比べて高い(p0.01)。これらの結果から、排尿困難の症状とBUNによる尿石症検出の指針を示す(表2)。

成果の活用面・留意点
  1. 飼料中ビタミンA含量は変動が大きいので、血清ビタミンA値のモニタリングを実施する。
  2. 尿石症検出の指針は黒毛和種牛、ホルスタイン種牛にも応用できる。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種)肥育牛における筋肉水腫低減対策および尿石症検出の指針」(指導参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004178
カテゴリ 肉牛 モニタリング

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