たまねぎ畑の減肥・後作緑肥導入による窒素負荷低減対策の実証

タイトル たまねぎ畑の減肥・後作緑肥導入による窒素負荷低減対策の実証
担当機関 道立北見農試
研究課題名
研究期間 2006~2007
研究担当者 白井滋久
森 久夫
菅原敏治
西田忠志
鈴木慶次郎
唐 星児
発行年度 2007
要約
    たまねぎへの窒素減肥、および後作緑肥の無窒素栽培を行うことにより、収量を慣行施肥の場合と同等に維持し、収益を下げることなく窒素負荷低減が可能である。
キーワード
    たまねぎ、窒素負荷低減、減肥、緑肥
背景・ねらい
    北見地域は、我が国における最大のたまねぎ産地であるが、たまねぎ畑も地下水の硝酸性窒素汚染源の1つと考えられている。そのため、生産者や関係機関でも施肥の改善に努めているが、これまでは明確な改善方向は得られていない。北見地域のたまねぎ畑の栽培実態から窒素負荷からみた課題を明らかにするとともに、現地たまねぎ畑において減肥対応と後作緑肥の栽培による窒素負荷の低減効果を実証する。
成果の内容・特徴
  1. 北見地域のたまねぎ栽培実態調査では、化学肥料による窒素施肥量は平均12kg/10aで近年減少傾向にある。しかし、施用有機物に由来する窒素量が多い場合でも施肥量を低減する傾向はみられない。たい肥を連用する生産者の割合は8割以上と高いため、連用による窒素放出分を考慮すると、残存窒素量が許容量を超える場合も多いと推察される。後作緑肥の栽培は極早生、早生たまねぎ生産者の51%が取り組んでいる。緑肥に対する窒素施肥は38%が行っていない。
  2. 窒素施肥を減肥した場合、たまねぎ収量は減肥量が2~4kg/10a程度の場合は慣行と同等程度で、それ以上の場合は減収する(図1)。この減収は生育初期の窒素供給不足も要因の1つと推察される。
  3. 後作緑肥播種時の窒素施肥量が少ないほど緑肥による土壌からの窒素収奪量は多い傾向にある。窒素施肥量が0~2kg/10aにおいては、積算気温が高いほど、窒素収奪量は多い傾向にある。えん麦はライ麦よりも高い土壌からの窒素収奪効果がある(図2)。
  4. たまねぎへの有機物施用履歴を勘案した窒素減肥(現地4箇所2箇年の平均で慣行に比べ4.5kg/10a減肥)は、減益となるが、窒素負荷量は4.3kg/10a低減する(表1)。
  5. たまねぎへの総窒素施用量12kg/10a(北海道施肥ガイド・窒素肥沃度水準Ⅲ:対慣行4kg/10a減肥に相当)では、収量を慣行平均と同等に確保でき、収益を下げることなく窒素負荷を低減できる。後作緑肥の無窒素栽培による窒素負荷低減量・経済性は、ライ麦よりえん麦の方が優れる(表1,2)。
成果の活用面・留意点
  1. 北見地域のたまねぎ畑における窒素負荷低減のための減肥、後作緑肥導入時の参考とする。
  2. 窒素負荷量と経済性の関係は、本試験結果に基づいたものであり、地域や気象、土壌等により異なる場合がある。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「たまねぎ畑の減肥・後作緑肥導入による窒素負荷低減対策の実証」(指導参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004103
カテゴリ 施肥 たまねぎ 播種

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