ダイズ茎疫病抵抗性の圃場検定法

タイトル ダイズ茎疫病抵抗性の圃場検定法
担当機関 道立中央農試
研究課題名
研究期間 2005~2009
研究担当者 山下陽子
田澤暁子
南 忠
発行年度 2007
要約
    水田(転換畑)にダイズ茎疫病が安定的に多発生する圃場を造成し、検定に最適な多湿処理条件、調査方法、評価基準品種等を検討して、茎疫病抵抗性の圃場検定法を開発した。また、開発した検定法により主要な大豆品種・系統の抵抗性を評価できる。
キーワード
    ダイズ茎疫病、圃場検定、圃場抵抗性、真性抵抗性
背景・ねらい
    ダイズ茎疫病(以下、茎疫病)は水媒伝染性の病害で、道央・上川の転換畑地帯を中心に発生が問題となっている。茎疫病菌Phytophthora sojaeはレースにより品種に対する病原性が異なるが、レース分化が激しいため、レース特異的に作用する真性抵抗性を利用した育種には限界がある。一方、レース非特異的に作用し、長期的効果が期待できる圃場抵抗性育種が近年注目されているが、日本ではその評価法は確立されていない。圃場抵抗性育種の資とするために、場内に造成した多湿圃場における茎疫病抵抗性検定法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 中央農試遺伝資源部内の水田(転換畑)に、表1の要領に基づき大豆・水稲交互作と多湿処理により安定的に茎疫病が発生する検定圃場を造成し、北海道で分離が報告されている10レースすべてに感受性の遺伝資源16点を播種した。これらのうち、5点の遺伝資源が検定圃場の土壌から分離した菌株(3レース各1菌株)に対して真性抵抗性を持たないことを確認した(データ省略)。また、検定圃場から「はや銀1」(既知の10レース全てに真性抵抗性)を侵す新しいレースが分離された。
  2. 検定圃場の多湿処理期間は、20日間では短く、7月20日頃からの40日間が必要であったため、処理終了後で成熟期前の9月上旬が最適な発病調査時期と考えられた(図1)。発病調査は、調査が簡便で発病度と高い相関がある枯死個体率を指標とした。
  3. 供試した10レース感受性遺伝資源16点は、検定圃場における枯死個体率が連続的な分布を示し、品種間差が認められた(図2)。このうち、枯死個体率の年次変動が少なく来歴や熟期の異なる6点を検定圃場における茎疫病抵抗性評価基準品種として選定した。
  4. 2カ年のデータから、当検定法による抵抗性評価には4反復の供試が必要であると判断した。これらの結果から、茎疫病抵抗性圃場検定の実施要領を作成した(表1)。
  5. 真性抵抗性を持つ17品種の検定圃場における枯死個体率の品種間の順位には年次変動が少なく、本検定法による茎疫病抵抗性の評価が可能と考えられた(図3)。また、検定圃場での抵抗性と真性抵抗性との間に関連性の見られない品種が認められたことから、本検定法では圃場抵抗性を含めて抵抗性を評価していると考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 開発した圃場検定法は圃場抵抗性を含めた茎疫病抵抗性の選抜・評価に利用できる。
  2. 多湿処理直後は圃場が過湿のため、処理後5日程度経てからの調査が望ましい。
  3. 真性抵抗性を持つが圃場での発病が多い品種を供試して、検定圃場のレース変遷を把握する必要がある。
  4. 抵抗性「弱」品種の確認が目的の場合は2反復での供試が可能である。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「ダイズ茎疫病抵抗性の圃場検定法」(研究参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004087
カテゴリ 育種 遺伝資源 水田 大豆 抵抗性 抵抗性検定 播種 評価基準 評価法 品種

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