種ばれいしょ栽培における生育調節剤による茎葉処理とウイルス感染

タイトル 種ばれいしょ栽培における生育調節剤による茎葉処理とウイルス感染
担当機関 基盤研究部
研究課題名
研究期間 2003~2006
研究担当者 青木元彦
佐々木純
堀田治邦
発行年度 2007
要約
    茎葉処理後に枯れ残りや再生した茎葉にウイルス保毒虫を接種すると、ウイルス感染が確認された。種ばれいしょ栽培においては、従来通りのウイルス感染防止対策を実施するとともに、茎葉処理を行う場合は、枯れ残りや再生が少ない方法を選択する。
キーワード
    種ばれいしょ、生育調節剤、茎葉処理、ウイルス感染
背景・ねらい
    健全な種ばれいしょを生産する上で、ウイルス感染防止対策が非常に重要である。生育調節剤による茎葉の除去(以下、茎葉処理)は種いもの大きさをコントロールするなど栽培上の理由だけでなく、アブラムシ類有翅虫によるウイルス感染防止のためにも実施されてきた。近年新規の生育調節剤が登録されたが、ウイルス感染防止に関する試験は実施されておらず、茎葉処理後に枯れ残りや再生が認められた場合のウイルス感染についても検討されていない。本課題では、枯凋進展の異なる2種類の生育調節剤を施用した圃場のウイルス感染率を調査するとともに、茎葉処理後に枯れ残りや再生が認められた場合のウイルス感染の可能性を接種試験で検討する。
成果の内容・特徴
  1. ジャガイモ葉巻ウイルス(PLRV)を媒介するアブラムシ類有翅虫の大多数は茎葉処理以前に飛来しており、ジャガイモYウイルス(PVY)を媒介するアブラムシ類有翅虫は茎葉処理以前から茎葉処理後まで飛来する(図1)。道央地域では、PLRVは主に茎葉処理以前に感染し、PVYは生育期全般にわたり感染する可能性がある。
  2. ウイルス保毒源を設置した圃場試験では、アブラムシ類に対する薬剤防除と茎葉処理だけではウイルス感染を完全に防止することは困難である(表1)。このことから、種ばれいしょ栽培では、ウイルス感染防止対策ためにはウイルス保毒源の除去又は保毒源からの分離が最重要である。
  3. 圃場試験では、2種類の生育調節剤とも次代塊茎へのウイルス感染が認められ、両剤間で感染率に差が認められなかった(表1)。茎葉処理後、枯凋途中及び枯れ残りや再生した茎葉に保毒虫を接種した場合も、2種類の生育調節剤とも次代塊茎にウイルス感染が認められた(表2、3)。これらのことから、2種類の生育調節剤のウイルス感染防止効果に差はないと考えられた。
  4. 茎葉処理後に枯れ残りや再生が生じる場合は、ウイルス感染が生じる可能性があるため、枯れ残りや再生が少なくなるよう努める。
成果の活用面・留意点
  1. 種ばれいしょ栽培では、ウイルス保毒源の除去、一般栽培のばれいしょ圃場等ウイルス保毒の可能性がある作物からの分離、アブラムシ類への薬剤防除の徹底等を実施する。
  2. 茎葉処理を行う場合は、平成16年度普及推進事項「茎葉チョッパと生育調節剤による種ばれいしょ生産のための茎葉処理体系」(十勝農試)及び平成18年度普及推進事項「ばれいしょ栽培における茎葉処理機の効果的利用法」(十勝農試)等を参考にして速やかに枯凋させかつ枯れ残りや再生を少なくするよう努める。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「種ばれいしょ栽培における生育調節剤による茎葉処理とウイルス感染」(指導参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004076
カテゴリ ばれいしょ 防除 薬剤

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