ペレニアルライグラス放牧地における乳牛の数日滞牧型輪換放牧技術

タイトル ペレニアルライグラス放牧地における乳牛の数日滞牧型輪換放牧技術
担当機関 道立上川農試
研究課題名
研究期間 2003~2007
研究担当者 新宮裕子
中村直樹
吉田昌幸
岡元英樹
発行年度 2007
要約 ペレニアルライグラス(PR)放牧地の割当草量を十分確保し、草丈15~20cmで利用すれば滞牧日数を3日程度にしても放牧草採食量に大きな変化はなく植生を維持できる。牧区内の均一利用にはPR割合、草丈、放牧圧および水槽の設置位置が重要である。
キーワード
    ペレニアルライグラス放牧地、数日滞牧型輪換放牧、乳牛、植生維持
背景・ねらい
    放牧管理の省力化のため、従来の集約放牧よりも牧区面積を拡大し数日間滞牧する輪換放牧や草丈20cm以下の短い状態での放牧が一部の酪農家で行われている。そこで、ペレニアルライグラス(PR)放牧地における滞牧日数の延長および入牧時草丈の違いが採食量および草種構成に及ぼす影響の検討と、牧区内の採食場所が偏る要因の解析により、数日滞牧型輪換放牧を問題なく実施するための要件を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 割当草量(500kg換算の牛1頭あたり14~15kgDM/日)が十分なPR草地に乳牛(乾乳牛・育成牛)を滞牧日数3日および1日として輪換放牧しても1日の平均採食量は同程度であり、PRの草種構成割合に差はない(表1-1)。また3日間の滞牧日数の経過に伴う採食量の変化を推定するため1日のバイト数を測定すると、滞牧日数の経過に伴いバイト数に変動が見られるが、採食時間には大きな変化はなく(表1-2)採食量は低下しないと考えられる。
  2. 滞牧日数を3日とし入牧時の草丈15cmおよび20cmで放牧したが、15cmで放牧しても20cmの時と1日の平均採食量に大きな差はなく、PRの草種構成割合も同程度であった(表2-1)。
  3. PRを草丈20または15cmで刈取り、さらに5日後に再び刈り取る処理を加えても年間乾物収量に差はなく、滞牧期間中の再採食はPRの生産量に影響しない(表2-2)。
  4. 長方形の放牧地で水槽の位置と採食場所の関係を見ると、水槽をゲート近くと420m地点の2箇所に設置すると、牧区内を比較的均一に採食利用する(図1)。また、長辺約400mの放牧地でゲートからの距離と牧草利用率との関係を見ると、放牧圧の低い農家(30頭×日/tDM)ではゲート付近の利用率が著しく高く(67%)、放牧圧の高い農家(57頭×日/tDM)ではゲートからの距離に関係なく40%前後でほぼ均一に利用しており、牧区内の均一な利用には放牧圧57頭×日/tDM程度が適切である(表3)。2農家の放牧地で植生と採食場所との関係をみるとPR草丈が低く、PR冠部被度の高い場所を好んで利用する傾向がある(表3)。
  5. PR放牧地で滞牧日数が2~3日程度の数日滞牧型の輪換放牧を成功させるには、入牧時の草丈が15~20cm程度で放牧前に十分な割当草量を用意し、牧区内のPR割合、草丈、放牧圧および水槽の設置位置を適切にすることが必要である。
成果の活用面・留意点
  1. 留意点として、ペレニアルライグラスを主体とした放牧地に適応でき、割当草量を十分に保つために入牧時の草丈が15cmの場合には、20cmで入牧する場合よりも放牧地の面積をやや広めに設定することが必要である。牧区内の草丈を均一に保つことや放牧圧を適切に保つために地域によっては春の早期放牧開始も重要である。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「ペレニアルライグラス放牧地における乳牛の数日滞牧型輪換放牧技術」(指導参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004071
カテゴリ 省力化 乳牛 放牧技術

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