直接給与生菌剤(製品名;BLCSルナシータDIBA)給与による粗飼料の利用効率向上効果

タイトル 直接給与生菌剤(製品名;BLCSルナシータDIBA)給与による粗飼料の利用効率向上効果
担当機関 道立根釧農試
研究課題名
研究期間 2006~2007
研究担当者 昆野大次
大坂郁夫
糟谷広高
発行年度 2007
要約
    粗飼料のみ給与の乾乳牛では本DFM剤10g程度でVFAの増加効果とNDF消化率の向上が認められる。粗濃比50:50のTMR給与の泌乳牛では本DFM剤20g程度でVFAの増加効果認められるが、消化率の向上は期待できない。本DFM剤にメタン生成削減効果はない。
キーワード
    乳牛、直接給与生菌剤(DFM剤)、ルーメン、A/P比、メタン、消化率
背景・ねらい
    自給粗飼料を主体とした本道酪農において、輸入濃厚飼料に依存せず、安全な牛乳を持続的に生産するためには、自給粗飼料の品質を高めるとともに、飼料を効率的に利用する必要がある。DFM(direct-fed microbial;直接給与生菌)剤は有用微生物の働きによって飼料利用効率の向上が期待される。本課題で供試したDFM剤(BLCSルナシータDIBA、日本エメラル社)は、ルーメン内でプロピオン酸生成菌が乳酸とメタン生成の原料となる水素からプロピオン酸を生成することに着目したメタン生成量の削減と、繊維消化率の向上を目的として開発された製剤である。すなわち本製剤は、乳酸生成菌により乳酸が効率よく生成されるとともに、繊維分解菌が増殖しやすいように配慮された微生物の構成割合となっている。そこで、本課題ではチモシー主体牧草サイレージを用いた飼養条件において、本DFM剤添加給与による粗飼料の利用効率向上効果について検証する。
成果の内容・特徴
  1. 粗濃比100:0(乾乳牛)におけるDFM剤添加(10、20g)により、ルーメン内容液の総VFA濃度は有意に増加(P0.05)、A/P比は有意に低下(P0.05)するが、メタン発生量に差はなく、DM、OM、およびNDF消化率は高くなる傾向を示す。0g区と10g区間は有意な差(P0.05)となり、その結果TDN含量は高い傾向となる(P=0.12)(表1)。
  2. 粗濃比50:50(泌乳牛)におけるDFM剤添加(5、10g)は、DMI、ルーメン内容液性状、メタン発生量および消化率に影響を及ぼさない(表2)。
  3. 粗濃比65:35(泌乳牛)におけるDFM剤添加(5g)により、DMIは増加傾向(P=0.12)、プロピオン酸割合は高まる傾向(P=0.14)、A/P比は低下の傾向(P=0.11)、メタン発生量は増加傾向(P=0.06)を示すが、DMIあるいは4%FCMあたりのメタン発生量に差はなく、NDF消化率およびTDN含量は有意に低下する(P0.01)(表3)。しかし、これらの結果は処理よりも個体差によるDMI増加の影響が大きいと考えられる。
  4. 粗濃比50:50(泌乳牛)におけるDFM剤添加(20、40g)により、総VFA濃度は高くなる傾向を示し、0g区と20g区間に有意差(P0.05)が認められる。また、有意な差は認められないが、プロピオン酸割合は増加、A/P比は低下の傾向を示す。しかし、メタン発生量および消化率に影響しない(表4)。
  5. 以上、粗飼料のみ給与の乾乳牛では本DFM剤10g程度でVFAの増加効果とNDF消化率の向上が認められる。粗濃比50:50の泌乳牛では本DFM剤20g程度でVFAの増加効果は認められるが、消化率の向上は期待できない。本DFM製剤にメタン生成削減効果はない。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験において、DFM剤添加給与はトップドレスで行った。
  2. 本製剤は「飼料の安全確保及び品質の改善に関する法律」に基づき、届出済みの飼料である。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「乳牛への直接給与生菌(DFM)剤給与による粗飼料の利用効率向上効果」(研究参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010004048
カテゴリ 生菌剤 乳牛

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