夏秋期のケーキ用いちご新品種「道南29号」

タイトル 夏秋期のケーキ用いちご新品種「道南29号」
担当機関 道南農試
研究課題名
研究期間 1998~2006
研究担当者 福川英司
荒木和哉
大久保進一
大宮知
中住晴彦
田中静幸
堀内優貴
林珠代
発行年度 2006
要約 「道南29号」は四季なり性品種で、高設栽培において収量性が高い。果実は硬く、食味はやや優り、日持ち性も良いことから、夏秋期のケーキ用いちごに適しており、実需者の評価も高い。
キーワード イチゴ、夏秋どり作型、高設栽培
背景・ねらい いちご夏秋どり栽培は高単価が期待できる。府県に比較して夏季の気象条件が適することと、作業負担の少ない高設栽培の普及と相まって、今後とも栽培面積の増加が期待できる。一方、夏秋どりの優良品種「エッチエス-138」は土耕栽培では多収性を発揮するが、高設栽培では障害果(種子浮き果)の発生が問題となっており、高設栽培において高品質多収な品種が求められている。
成果の内容・特徴
  1. 「道南29号」は大果で果実外観、食味に優れる「7交15-57」(道南農試育成系統)を種子親とし、四季なり性を有し、果実が硬い「エッチエス-138」(商品名「夏実」、北海三共(株)育成、平成13年優良品種)を花粉親として交配・育成した。
  2. 収穫始期の草丈は20.9cmで、「エッチエス-138」よりやや低く、葉数および芽数はやや少ない(表1)。草姿は中間性で草勢はやや強く、果房当たり果数はやや少ない。
  3. 四季成り性を有し、早晩性は「エッチエス-138」とほぼ同等である(表1)。高設栽培における上物収量は206kg/aと多く、種子浮き果の発生率は7.1%と低い(表2)。
  4. 果形はやや長円錐形である(表2、写真1)。果皮色、光沢は「エッチエス-138」と同等である。果肉色はやや淡く、「白~鮮紅色」である。糖度は8.9%とやや低いが、酸度も0.75%と低いため、糖酸比は12.9とやや高く、食味はやや良い。果実の中心空洞はやや大きいものの、果皮硬度は156g/φ3mmと硬く、日持ち性は7.5日で供試品種中、最も優れている。従って、菓子材料等の業務利用に適している。
  5. うどんこ病耐病性は「エッチエス-138」よりやや弱く、特に秋期に着果数が多く、成り疲れすると病果が多くなる(表1)。灰色かび病果の発生程度は同程度である。萎黄病抵抗性は弱く、萎凋病にはほぼ同程度、疫病にはやや強い(表3)。
  6. 仲卸、大都市の洋菓子協会および大手製パン会社による評価では、「エッチエス-138」と比べて、同等からやや優った(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. ハウス雨よけ夏秋どり作型に適応する。
  2. 高設栽培向け品種であるが、土耕栽培でも利用可能である。但し、萎黄病に対する抵抗性が劣るので、耕種的防除や土壌消毒に努める。
  3. 着果数が多く着果負担による成り疲れが生じやすい。特に秋期の成り疲れによる草勢低下はうどんこ病果の発生を助長するので、「エッチエスー138」に準じて芽数および果房数調整を適切に行う。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003988
カテゴリ 萎黄病 いちご うどんこ病 障害果 新品種 多収性 抵抗性 土壌消毒 品種 防除 良食味

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