道央地帯における「大地の星」と春まき小麦初冬まきを取り入れた経営モデル

タイトル 道央地帯における「大地の星」と春まき小麦初冬まきを取り入れた経営モデル
担当機関 北海道立中央農業試験場
研究課題名
研究期間 2004~2006
研究担当者 井原澄男
乙部裕一
角野晶大
熊谷聡
古原洋
佐藤導謙
寺元信幸
神野裕信
西海豊顕
前野眞司
相馬潤
池田信
竹内稔
田中英彦
内山誠一
飯田修三
発行年度 2006
要約 冷凍米飯用「大地の星」で600kg/10a、春まき小麦の初冬まき栽培で450kg/10aを達成し、露地野菜を取り入れた複合経営は、家族3人で農業所得538万円の所得確保が可能であり、石狩・南空知地域における地域水田農業ビジョン策定の参考となるものである。
キーワード 大地の星、冷凍米飯、春まき小麦、初冬まき、地域水田農業ビジョン
背景・ねらい 石狩・南空知地域は低蛋白米生産が困難なため加工用途米の取り組みが重要な販売対策となっている。そこで当地域の「地域水田農業ビジョン」策定の参考とするため、冷凍米飯用「大地の星」の安定多収生産技術を検討、DON汚染低減技術を含めた春まき小麦初冬まき栽培の安定生産を実証し、これらを取り入れた経営モデルを提示する。
成果の内容・特徴
  1. 試験課題“水稲品種「大地の星」の安定多収栽培法”では3農場における冷凍米飯用「大地の星」の栽培試験結果を含めて安定多収栽培技術をとりまとめた。移植時葉齢を3.7葉以下とすること、基肥窒素を2~3kg/10a増肥、必要に応じ幼穂形成期に窒素2kg/10aを追肥するで安定多収化が図られる。
  2. 春まき小麦「ハルユタカ」は「春よ恋」よりも収量が低く、赤かび病抵抗性も劣るため安定栽培が難しいとされるが、初冬まき栽培法を導入することで、安定的に高収量を得ることができ(表1)、赤かび病によるDON汚染の回避も可能である。
  3. 「大地の星」の改善技術では、施肥量の増加に伴い10a当たりの物財費が3%程度増加するものの、収量の増加により60kg当たりコストは92%程度まで低下する(表2)。
  4. 「大地の星」を取り入れた経営モデルを設定する際、現状の生産者手取り販売価格9,500円/60kgを前提とすると、第一次生産費(物財費と労働費)を確保するための採算点収量は600kg/10aが妥当と判断される(図1)。
  5. 経営モデル検討のための収量は地区の到達可能な収量水準とし、春まき小麦初冬まき栽培は450kg(H17年では地域農家の36%が450kg/10aに達している)、大豆は280kg、露地野菜のブロッコリーは900kg、レタスは2,200kg/10aである。また、販売価格、生産費は北海道農業生産技術体系を準用する。
  6. 経営モデルは主たる従事者の年間農業所得4,800千円、労働時間2,000時間を目標に、水稲、小麦、大豆を主体にブロッコリーなどの露地野菜を栽培する経営面積22haの複合経営について図2の内容である。その経営成果は、家族3人の労働は3,364時間、雇用労働471時間で、農業所得5,376千円、キャッシュフロー12,655千円である。
  7. 以上から、冷凍米飯加工用途米「大地の星」を需要の高い戦略作物と位置づけ、春まき小麦の初冬まき栽培、及び野菜等との組み合わせによる複合経営は、本地域の水田農業ビジョンを策定する場合の選択肢として有効である。
成果の活用面・留意点
  1. 石狩・南空知地域において、冷凍米飯加工用途米生産を地域の米販売戦略とし、圃場・環境条件および栽培技術の確立により春まき小麦の初冬まき栽培が安定的に可能となった地区の水田農業ビジョン確立の参考となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003957
カテゴリ 加工 経営管理 経営モデル コスト 小麦 栽培技術 水田 水稲 施肥 多収栽培技術 大豆 抵抗性 品種 ブロッコリー レタス

この記事は