タイトル |
とうもろこしサイレージ多給・配合飼料無給与による授乳期の母子羊の飼養法 |
担当機関 |
道立畜試 |
研究課題名 |
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研究期間 |
2005~2006 |
研究担当者 |
戸苅哲郎
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発行年度 |
2006 |
要約 |
チモシー主体乾草不断給与下において、とうもろこしサイレージ+アルファルファ乾草給与により、単子の75%、双子の25%が発育標準の平均離乳時体重を超える。母羊の体重減少も日本飼養標準の基準内であり、飼養法として適当である。
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キーワード |
授乳期母子羊、とうもろこしサイレージ
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背景・ねらい |
母羊授乳期の養分要求量は、肥育期と並び最も高く、主要品種である大型のサフォークでは、これらのステージで濃厚飼料の給与が必要とされている。有機ラム生産を想定した場合、高価な有機穀物の購入利用は大幅な生産コスト上昇となることから、できる限り自給飼料を用いた生産技術を確立する必要がある。そこで、飼料用とうもろこしサイレージを主体に、アルファルファ乾草によりたんぱく質を調整して、授乳期母子羊の飼料給与法の可否を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 配合飼料を用いず、とうもろこしサイレージ(CS)とチモシー主体乾草を不断給与し、粗たんぱく質(CP)調整にアルファルファ乾草(AL) を定量給与した場合、母羊のCS摂取は良好で、前・後期各8週の授乳期間をとおして1kg程度の乾物摂取量があり(表1)、配合飼料を代替できる。子羊のCS摂取は6週目頃から本格化し後期には0.3~0.4kgに達するが、配合飼料給与区の養分摂取量には及ばない。
- CS給与区の母子羊1組の養分摂取日量(表1)は、双子授乳では乾物摂取量が配合飼料給与区を上回り、可消化養分総量(TDN)、CPの摂取量は、いずれも配合飼料給与区の95%以上となる。単子授乳の乾物、TDN、CPの摂取量は、配合飼料給与区よりやや少ない。
- CS給与区の子羊体重は、授乳前期には双子、単子それぞれ配合飼料給与区に匹敵する増体となる。後期では配合飼料給与区との差が開き、離乳時体重は配合飼料給与区の82~87%である(図1)。
- 子羊の離乳時体重をサフォークの発育標準と比較すると、CS給与区では単子の75%、双子の25%が平均値を超えており(図2)、全体が標準範囲内にあることから、順調な肥育に移行できると考えられる。
- CS給与区の授乳期間中の母羊体重の減少は、日本飼養標準の双子授乳6.7kg、単子授乳3.9kgの基準変化量の範囲内であり、次期繁殖までに回復が可能と考えられる(図3)。
- 以上より、CS多給により、配合飼料無給与で、授乳期の母子羊が飼養できる。
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成果の活用面・留意点 |
- とうもろこしサイレージとチモシー主体乾草及びアルファルファ乾草を用いた、4カ月齢離乳までの飼料給与法である。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003891 |
カテゴリ |
アルファルファ
コスト
飼料用作物
とうもろこし
繁殖性改善
羊
品種
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