チモシー主体草地および飼料用とうもろこしの有機栽培法

タイトル チモシー主体草地および飼料用とうもろこしの有機栽培法
担当機関 畜産環境科
研究課題名
研究期間 2004~2006
研究担当者 玉置宏之
佐藤公一
中村克己
渡部敢
発行年度 2006
要約 草地造成の際は、基肥に発酵鶏ふんペレットをN換算4kg/10a施用し、播種を1番刈以降に行う。雑草草丈が20~30cmの時期に初回掃除刈を行う。維持段階では秋に腐熟堆肥4t/10a及び熔燐30kg/10aを施用する。飼料用とうもろこしでは腐熟堆肥3t/10a、尿1t/10aおよび鶏ふんN換算5kg/10aを施用する。以上により、ほぼ慣行栽培並の収量が得られる。
キーワード チモシー、とうもろこし、有機栽培、有機物施用
背景・ねらい 有機栽培では、除草剤及び化学肥料の代替となる耕種的対応が必要である。本課題では、チモシー主体草地の造成・更新法、維持段階の採草地への堆肥施用法、飼料用とうもろこし圃場への乳牛ふん尿と発酵鶏ふん(以下、鶏ふん)の施用法、及び雑草対策の現地事例を検討し、飼料作物における有機栽培法を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. チモシー主体草地の造成・更新法:播種時基肥に発酵鶏ふんペレットをN換算4kg/10a施用する。播種は1番刈以降に行い、雑草草丈が20~30cmになる時期に初回掃除刈を行う。以上の処理により、化成標準(慣行栽培)と同等の草地を造成できる(表1)。
  2. 維持段階の採草地への堆肥施用法:チモシー・シロクローバ混播草地では、腐熟堆肥と熔燐(処理5)で施肥標準(北海道施肥ガイドの区分2:マメ科率15~30%)に近い養分が供給され、化成標準(処理6)並の収量が得られる(表2)。その際、牧草中ミネラル含量は化成標準との間に顕著な違いがなく、土壌成分は全般に高く推移し、特にカリの蓄積傾向が顕著である(表3)。
     晩秋のバーク堆肥(窒素分0.43%、容積重3.7kg/10㍑)施用量が2~3t/10aの場合、被覆・遮光による生育阻害が発生し翌年1番草の収量が1t/10以下の場合に比べ約16%低下する。
  3. 飼料用とうもろこし圃場への乳牛ふん尿と鶏ふんの施用法:有機物施用では化成標準に比べて初期生育がやや劣り、生育ステージもやや遅れる。多収となる有機物施用法は「腐熟堆肥3t+尿1t」及び「腐熟堆肥5t」であり、鶏ふんを追加することで、さらに10%程度の増収が可能で、化成標準比90%以上の収量が得られる。とうもろこし及び土壌中のカリウム含量は有機物施用で化成標準より高まり、土壌への蓄積傾向が認められる(表4)。収量および土壌中のカリウム含量を考慮した有機物施用法として、腐熟堆肥3t+尿1tに鶏ふんを追加する組合せが有望である。
  4. 飼料用とうもろこし栽培における雑草対策の現地事例:カルチ除草を機械による茎葉の損傷が発生しない期間に3~5回行うことで雑草は抑制できる。
成果の活用面・留意点
  1. 本成績はチモシー主体草地及び飼料用とうもろこし圃場の有機栽培法として活用する。
  2. 有機栽培では堆肥の施用に伴い、土壌中のカリが蓄積傾向にあるため、定期的に土壌診断を行い、施肥量やカリ含量の少ない代替資材等の施用等の対策を検討する必要がある。
  3. バーク堆肥等、容積重の小さい堆肥の表面施用に際しては、被覆、遮光等の生育阻害を回避するよう、施肥量に留意する。
  4. 有機栽培では、マメ科率の制御及び強害雑草対策が慣行栽培より難しいことに留意する。
  5. 本成果は3か年の試験によって得られたものであり、長期間の有機物施用が作物の収量と品質及び土壌成分に及ぼす影響は未検討である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003872
カテゴリ 雑草 飼料作物 飼料用作物 除草 除草剤 施肥 とうもろこし 土壌診断 乳牛 播種

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