トマト青枯病およびかいよう病の診断法と防除対策

タイトル トマト青枯病およびかいよう病の診断法と防除対策
担当機関 道立花野セ
研究課題名
研究期間 2002~2005
研究担当者 小松 勉
堀田治邦
発行年度 2005
要約 トマト青枯病およびかいよう病は、病徴と選択培地への罹病茎断面のスタンプにより出現したコロニーにより診断できる。青枯病対策には深耕還元消毒と抵抗性台木の組み合わせが、かいよう病対策には薬剤の茎葉散布および太陽熱や熱水による土壌消毒が有効である。
キーワード トマト、青枯病、かいよう病、選択培地、深耕還元消毒、抵抗性台木
背景・ねらい
近年道内で発生が増加し被害が拡大しているトマト青枯病およびかいよう病の簡便な診断法を開発し、それぞれの細菌病に対応した防除対策を確立する。

成果の内容・特徴 1.青枯病罹病トマトは日中に上位葉から萎れが生じた後、急激に株全体が萎れる。かいよう病は下位葉が巻き上がり黒褐色に枯れていく。罹病茎切断面を培地平板に押しつけるスタンプ法により、青枯病では原・小野培地に白色で流動性のあるコロニー、かいよう病ではSMCMM培地に黄色の平滑なコロニーが出現する。以上を組み合わせ、両細菌病の診断を行う。
2.供試した青枯病抵抗性台木9品種は、室内・圃場でともに抵抗性を示し、接ぎ木後の穂木品種の生育、果実品質等も問題がなく、青枯病対策として有効である(表1)。
3.青枯病対策の土壌消毒法のうち、太陽熱消毒では青枯病菌の菌量低下が認められず、糖蜜還元消毒では菌量の低下はみられたが圃場内でムラがあり、防除効果も不安定である。一方、米糠を2t/10a投下し深耕ロータリで混和する深耕還元消毒は、40cm深まで青枯病菌菌量を検出限界以下に低下させ(表2)、抵抗性台木と組み合わせることにより防除効果も安定する。また、この組み合わせによる発病抑制効果は、1作目の発病が認められなければ2作期間持続する。ただし、透排水性不良の圃場では深耕還元消毒を行っても十分な防除効果が得られない場合がある。
4.かいよう病汚染トマト種子の消毒には、消毒効果と発芽率への影響を考慮して、55℃、25分あるいは54℃、40分の温湯消毒が有効である(表3)。
5.かいよう病に対してカスガマイシン・銅水和剤1000倍液の茎葉散布は防除効果が認められ、発病後の接触や管理作業による拡大防止に有効である。
6.かいよう病対策の土壌消毒法として、通常の太陽熱消毒および深耕ロータリで耕起してから灌水する深耕簡易太陽熱消毒は、40cm深部分で30℃以上の地温が1ヶ月程度確保されると防除効果がみられる。熱水消毒の防除効果は高い。
7.以上を総合した診断・防除対策を確立した(図1)。

成果の活用面・留意点
1.トマト青枯病およびかいよう病の防除対策として活用する。
2.青枯病抵抗性台木は他の病害抵抗性や穂木品種との親和性などを確認して使用する。
3.深耕還元消毒は、従来の還元消毒の実施時期・期間を基本とする。また、消毒後は土壌中にアンモニア態窒素が増加するので、トマト栽培前に土壌診断を行って減肥し、栽培中の窒素栄養診断法を活用する。
4.かいよう病対策として温湯種子消毒を行うと、3~5日の発芽遅延がみられる。
平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
 「トマト青枯病およびかいよう病の診断法と防除対策」(普及推進)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003828
カテゴリ 青枯れ病 栄養診断 温湯消毒 種子消毒 台木 接ぎ木 抵抗性 トマト 土壌消毒 土壌診断 排水性 品種 病害抵抗性 防除 薬剤

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