乳牛の生涯生産性向上に有用な体測定値に関する指標

タイトル 乳牛の生涯生産性向上に有用な体測定値に関する指標
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2002~2005
研究担当者 西浦明子
山崎武志
武田尚人
富樫研治
発行年度 2005
要約 淘汰に及ぼす乳量の影響を取り除いた牛群滞在期間(FHL)は晩熟で大型の体躯になる個体ほど長い傾向にある。また分娩前後の体重変化が緩やかな個体ほど長い傾向にある。説明変数には成長の過程を示す成熟率のパラメータも多く選択される。
キーワード 生涯生産性、機能的牛群滞在期間、体測定値、成長曲線、乳用牛
背景・ねらい
乳牛においては乳生産性と牛群滞在期間を両立して向上させることが重要である。そのためには乳生産とは切り離された、淘汰されにくい能力の改良が必要である。このような淘汰に及ぼす乳量の影響を取り除いた牛群滞在期間を機能的牛群滞在期間(FHL)と呼ぶ。牛群滞在期間は正確な測定が困難な形質であり、そのものによる改良は難しいため、牛群滞在期間と相関のある体型形質に関する指標を探索する必要がある。そこで、牛群滞在期間と1)体測定値2)体測定値の成長パラメータ3)分娩前後における体重変化との遺伝的関連性を解析して、牛群滞在期間が長くかつ高乳生産を可能にする体型指標を開発する。

成果の内容・特徴 1.北農研牛群におけるFHLの遺伝率推定値は0.06である。また体測定値とFHLとの間の相関は低い値(遺伝:0.00~0.16、表型:-0.02~0.16)を示す。
2.体測定値の推移をBertalanffyの成長曲線に当てはめることによって得られた成熟値AとFHLとの間の相関は、1に示した単独の体測定値との相関よりも高くなる(表1)。また成熟率kとFHLとの間の相関は負の値を示し(表1)、晩熟の個体ほど牛群に長くとどまる傾向を示す。
3.分娩前後の体重変化指標とFHLとの相関は、線形指標とは負の、非線形指標とは正の値である(表2)。すなわち分娩前後の体重変化がより緩やかな個体ほど牛群に長くとどまる傾向を示す。
4.説明変数に成長パラメータを取り込んだ重回帰式により、FHLの24.2%を説明できる(表3)。また説明変数には最終的に到達する成熟値 A だけでなく、成長の過程を示す成熟率kも多く選択される。

成果の活用面・留意点
1.乳牛の乳生産性と生涯生産性を同時改良するために、牛群滞在期間に関する選抜を可能とする体型指標を選定するための基礎データとなる。
2.牛群滞在期間に成熟率が大きく関係し、晩熟な個体ほど牛群に長くとどまることは、成長の過程の重要性を示唆しており、今後の育種の方向性を考える上での参考となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003796
カテゴリ 育種 成長曲線 乳牛

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