コムギのクラウンで発現するフルクタン分解酵素遺伝子

タイトル コムギのクラウンで発現するフルクタン分解酵素遺伝子
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者 吉田みどり
川上顕
発行年度 2005
要約 ハードニング中及び積雪下のコムギクラウン組織で発現するフルクタン分解酵素遺伝子を単離した。それらは6-ケストース特異的分解活性を持つ酵素遺伝子とフルクタンのβ(2→1)及びβ(2→6)結合分解活性を持つ酵素遺伝子である。
キーワード コムギ、フルクタン、フルクタン分解酵素(FEH)、越冬性
背景・ねらい
    北海道における秋播コムギ栽培において、耐凍性・雪腐病抵抗性の付与は不可欠である。秋から根雪前にかけてのハードニング過程において、クラウン組織でのフルクタン蓄積量が増加し、その含量が耐凍性及び越冬能力や雪腐病抵抗性の向上に関与していることが明らかになっている。一方、雪腐病抵抗性の高いコムギ品種では積雪下でのフルクタン量の減少速度が低いことも示唆されている。フルクタン分解酵素に関しては未だ不明な点が多く、遺伝子もチコリーのみでしか単離されていない。コムギの越冬性・雪腐病抵抗性とフルクタン分解との関係を明らかにするため、コムギのフルクタン分解酵素遺伝子を単離し、その発現解析を行う。
成果の内容・特徴
  1. 単子葉植物から初めて単離したコムギのフルクタン分解酵素遺伝子4個は細胞壁型インベルターゼと相同性がある(図1)。
  2. 単離クローンのうち2つの遺伝子(A211, C311)は6-ケストース特異的分解活性を持つ6-kestosehydrolase(6-KEH)、1つの遺伝子(D31)はフルクタンのβ(2→1)及びβ(2→6)結合分解活性を持つ6&1-fructan exohydrolase(6&1-FEH)を、もう1つの遺伝子(C42)はβ(2→1)結合分解活性を持つ1-fructan exohydrolase (1-FEH)をコードする(表)。
  3. A211、C311及びD31は葉組織では発現が低いのに対してハードニング中及び積雪下でフルクタン含量の多い時期にクラウン組織での発現が顕著である。一方、C42は同時期にはコムギの葉及びクラウンでは発現が抑えられている(図2)。
  4. A211とD31の発現量は、雪腐病抵抗性弱の「Valuevskaya」に比較して雪腐病抵抗性極強の「PI 173438」でやや低い(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. フルクタン分解酵素遺伝子の単離により、イネ科植物のフルクタン分解・消費と雪腐病抵抗性との関連の解明が可能となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003749
カテゴリ チコリ 抵抗性 品種

この記事は