酪農地帯におけるふん尿主体施肥の現地導入に対する課題と対策

タイトル 酪農地帯におけるふん尿主体施肥の現地導入に対する課題と対策
担当機関 釧路北部地区農業改良普及センター
研究課題名
研究期間 2001~2004
研究担当者 三枝俊哉
山川政明
小関忠雄
門傳幸人(釧路北部農改)
発行年度 2004
要約 圃場に必要な養分の多くをふん尿で賄うふん尿主体施肥を現地に導入するためには、1.圃場を診断して施肥量を決める、2.ふん尿を肥料に換算する、3.ふん尿と肥料の施用計画を立案する、4.計画を実行する、の4過程を担う農家支援体制と人材の育成が必要である。
キーワード 家畜ふん尿、牧草、施肥、普及
背景・ねらい 酪農地帯の環境改善のためには、北海道で昨年度確立されたふん尿主体施肥を地域全体で導入・実践する必要がある。圃場に必要な養分の多くをふん尿で賄うふん尿主体施肥は、ふん尿の肥効評価に加え、草地区分、土壌診断など総合的な圃場診断作業等を伴う。従来のふん尿利用技術と圃場診断技術は、土づくりや施肥管理に関心の高い農家に活用されるにとどまり、一般の農家に広く普及しているとは言い難い。そこで、地域の大多数の農家が円滑にふん尿主体施肥を実践できるようにするため、解決すべき問題点を抽出し、対策を示す。
成果の内容・特徴 ふん尿主体施肥作業を以下の4過程に区分する。6戸の酪農家の全圃場77草地に対し、ふん尿主体施肥の導入過程で発生した問題点を抽出することにより、対策を講ずることができる(図1)。
  1. 圃場診断過程
     北海道施肥ガイドに基づいて草地と土壌を区分・診断し、各圃場に必要な肥料養分量を算出できる人材を確保する必要がある。そのため、計画的に研修や実習等を企画する(図1)。
  2. ふん尿の肥料換算過程
     ふん尿の養分含量は変動の大きい場合があるので、十分な貯留量のある複数の時期によく攪拌して採取し、個々の農家の代表値を把握する。ふん尿の養分含量を直接定量できる分析の外注先を確保することが望ましいが、困難な場合には、簡易分析で対応する(図1)。
  3. 施肥計画の立案過程
     ふん尿主体施肥に基づく施肥改善は、肥料の購入量と養分量の節減に有効である(図2)。精密な施肥設計は肥料銘柄と施肥量を多様化し、施肥作業を煩雑にするので、複数の銘柄を使い分ける作業体系を要する。農家慣行の肥料単価が低いと節減効果が低下するので、ふん尿主体施肥に有利な価格体系(保証成分の濃度に応じた価格設定、冬期に安い価格体系等)が望まれる(図1)。
  4. 計画実行過程
     個別農家では、計画されたふん尿施用量を遵守できない場合がある。その理由は、農家の意識、自然条件および体制・施設の問題におおむね区分できる(表1)。農家意識の啓発とともに、コントラクタ等施用体制の整備、作業者の操作技術の向上が望まれる(図1)。
以上の4過程で抽出された問題点とその対策には、農家単独では対応の困難な対策が多く、生産現場で農家を支援する組織体制の整備が重要である。また、その体制を構築する際には、本試験で得られた作業量の見積もりが有益である(表2)。
成果の活用面・留意点 ふん尿主体施肥の実践、および、それを推進する農家支援体制の構築とその運営に活用する。
平成16年度北海道農業試験会議(成績会議における課題名および区分)
ふん尿主体施肥の現地導入対策(指導参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003679
カテゴリ 診断技術 施肥 土壌診断 乳牛

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