貫入式硬度計を用いた耕盤層の簡易判定法と広幅型心土破砕の施工効果

タイトル 貫入式硬度計を用いた耕盤層の簡易判定法と広幅型心土破砕の施工効果
担当機関 十勝農試
研究課題名
研究期間 2001~2005
研究担当者 沢崎明弘(十勝農協連)
中津智史
東田修司(中央農試)
発行年度 2002
要約 畑土壌における貫入式硬度計の測定値は山中式硬度計の値と密接な関係にあり、1.5MPa以上で耕盤層有りと判定できる。広幅型心土破砕の施工により土壌硬度が低下し、てんさいでは根重増により糖収量が高まり、その効果は従来型心土破砕よりも高い。また、えん麦、大豆でも生育向上、増収効果が認められた
キーワード 畑土壌、貫入式硬度計、耕盤層、心土破砕
背景・ねらい 畑土壌の表面排水不良要因については、プラウ耕起に伴う耕盤層の影響が指摘されている。耕盤層については既に山中式硬度計を用いた判定基準が提案されているが、試掘が必要なためより簡易な手法の開発が求められている。そこで本研究では、十勝地方における耕盤層の形成実態を明らかにするとともに、貫入式硬度計を用いた簡易な耕盤層判定法を確立し、さらに耕盤層対策として広幅型心土破砕機の施工効果について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 十勝管内の心土(土層深20~40cm)の山中式硬度計の平均値は、黒ボク土で20.9mm、多湿黒ボク土で20.3mm、低地土で21.6mmであった(表1)。現在の耕盤層の判定基準は黒ボク土、低地土で20mm以上、多湿黒ボク土で16~18mm以上となっているが、この基準に従うと、黒ボク土の耕盤層形成率は77%、低地土で84%で、多湿黒ボク土ではすべての圃場で耕盤層有りと判定される。多湿黒ボク土についても心土の堅密化が進んでいることから、耕盤層の判定基準としては黒ボク土や低地土と同様に20mmを採用する。
  2. 貫入式硬度計と山中式硬度計の関係において土壌間差は小さく、3つの土壌タイプをまとめた両者の相関はr=0.783**である(図1)。推測誤差が3.2mmとやや大きいが、土壌硬度のおおよその目安になる。心土の最大硬度が1.2~1.4MPaでは耕盤層形成の危険性が高まり(山中式硬度計20mm以上の耕盤層形成率は73%)、1.5MPa以上ではほぼ形成(形成率92%)と推測されることから、貫入式硬度計による耕盤層の目安として1.5MPaが基準となる(図2)。
  3. 黒ボク土、多湿黒ボク土、低地土において広幅型心土破砕を施工した結果、土壌硬度が低下する(表2)。下層土の混入による作土化学性の悪化が懸念されるが、各養分の低下はほとんど認められず、実際上大きな問題にはならない。
  4. 広幅型心土破砕によりてんさいでは主として根重増により糖収量が高まり、その施工効果は従来型心土破砕よりも高い(表3)。エン麦、大豆でも生育向上、増収効果が認められ、施工翌年においても効果が持続する(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 耕盤層形成の判定とその対策に活用できる。
  2. 広幅型心土破砕を春に施工すると、トラクターや作業機が破砕溝に引っ張られたり、下層からの土塊により砕土が不十分となる場合があるため、秋施工が望ましい。また、下層に石礫が多く含まれる場合、施工深度を浅くするか施工を見合わせる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003540
カテゴリ えん麦 大豆 てんさい

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