タイトル | 環境に拘わらず発現する育種価と環境毎に固有に発現する育種価算出法 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 北海道農業研究センター |
研究課題名 | |
研究期間 | 1997~2002 |
研究担当者 |
山本直幸 西浦明子 富樫研治 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 乳牛国際育種価について、環境(国)をこえて共通に発現する育種価と環境(国)毎に固有に発現する育種価推定式を開発した。本推定式は、国際乳用牛改良団体(インターブル)から公表される共通及び固有部分が合わさった種雄牛育種価をもとに簡単に転換できる数式である。 |
キーワード | 乳牛育種価、環境と遺伝子型の交互作用、乳用種雄牛国際評価 |
背景・ねらい | 従来のインターブル機関から公表される種雄牛育種価にかわり、環境(国)をとおして発現する育種価と個々の環境(国)毎に発現する育種価が判明すれば、個々の環境(国)で固有に発現する育種価の大小を判定し、個々の環境(国)に最適な遺伝子構造を考えるための重要な手段となる。そこで、環境(国)に拘わらず発現する育種価と個々の環境(国)で固有に発現する育種価推定法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. インターブル機関から公表されている乳用種雄牛の育種価から、個々の環境(国)で固有な育種価と両環境(国)間に共通に発現する育種価を求める転換式を開発した(数式1)。従って、インターブル機関から公表される我が国の乳用種雄牛国際評価値は、我が国固有な育種価と日本、アメリカ両国に共通な育種価の和となる。 2. 開発した転換式に必要なパラメーターを求めるため、日本とアメリカの1998年乳量育種価公表牛から信頼率が高い乳用種雄牛をそれぞれ1162,1147頭選んだ。それをもとに、各パラメーター値を推定した(表1)。我が国に固有な乳量遺伝分散(表1の日本固有効果種雄牛分散)は、我が国全体の乳量遺伝分散(表1の日本での種雄牛分散)の55%となり、我が国の飼養環境に固有な遺伝子による乳量増加の可能性は極めて大きい。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 我が国の乳用種雄牛の国際評価において、インターブルから公表される育種価をもとに、本式から、我が国固有に育種価が高い種雄牛と我が国とアメリカ両方で育種価の高い種雄牛とを識別することができる。 2. 国際的に著名な種雄牛の国際的流通は、乳用牛の近交上昇を招く危険性がある。本式で得られた育種価をもとに、それぞれの国が固有に種雄牛を選抜すれば、国際的な近交の上昇を抑制することを可能にする。 3. 本式は、国際評価のみならず国内評価の飼養形態の違い(濃厚飼料主体、放牧飼養等)に対応した育種価推定にも適用ができる。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003406 |
カテゴリ | 育種 乳牛 |
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