ウメ「南高」の果実の仁中微量元素組成による国内生産地域の推定

タイトル ウメ「南高」の果実の仁中微量元素組成による国内生産地域の推定
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 果樹研究所
研究課題名
研究期間 2002~2004
研究担当者 井上博道
増田欣也
中村ゆり
梅宮善章
発行年度 2005
要約  ウメ「南高」果実の仁中微量元素組成の多変量解析から、国内の栽培地域のうち九州、近畿中国四国、関東東海の3地域を判別する基準を見出した。産地判別の結果は土壌の微量元素濃度の違いが反映されている。
キーワード ウメ、産地判別、微量元素、判別分析、主成分分析、ICP発光分析
背景・ねらい  農産物の産地表示の偽装が近年問題になっており、ウメにおいても産地間の価格差が大きいことから、産地表示の偽装が懸念されている。この表示の適切性の判定には、科学的根拠に基づいた判別手法が必要となる。コメ、チャ、ネギ等では元素組成による産地判別が検討されている。そこで、ウメの微量元素組成から産地を判別する手法を開発する。
成果の内容・特徴 1.
ウメ「南高」果実種子の仁を取りだし、硝酸で分解後、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析装置で多元素を同時に定量することにより、ウメ1粒ごとの産地を判別できる。入手容易な市販の混合標準液(23元素)を用い、微量元素のうちウメ仁中で安定して測定可能な9元素(Zn,Fe,Mn,Cu,Sr,Ba,Ni,Co,Cr)で判別を行う。
2.
「南高」は上記9元素の組成を用いた主成分分析により、九州(6県16産地)、近畿中国四国(7県19産地)、関東東海(5県15産地)の3地域に分離する(図1)。さらに判別分析を行うと、3地域の「南高」は80%の的中率で判別できる(図2)。
3.
「南高」の産地を樹園地に多くみられる3種類の土壌である火山灰土(黒ボク土+火山未熟土)、褐色土(褐色森林土+褐色低地土)、黄色土で分類し、「南高」仁中の元素濃度を用いて判別分析を行うと、86%の的中率で判別できる(図3)。
4.
土壌中の元素濃度と「南高」の仁中の元素濃度には相関関係が見られ(図4)、産地ごとの土壌中元素濃度の違いが仁の微量元素濃度に反映している。したがって「南高」以外の品種にも適用可能である。
成果の活用面・留意点 1.
本手法は塩蔵による元素変動が少ない仁を分析部位とし、ウメ干しにおいても適用が可能である。
2.
食品表示のチェックを行っている行政機関等で利用できる。
3.
各地の代表的ウメ産地から入手したサンプルのため、九州では8/16サンプルが火山灰土(5/16サンプルは褐色土)、近畿中国四国では16/19サンプルが褐色土(その他は黄色土)、関東東海では13/15サンプルが火山灰土(その他は黄色土)と、地域により土壌タイプに偏りがあるが、ウメと土壌中の元素組成から地域による土壌タイプの違いよりも、地域間の元素濃度の違いの方が産地の判別結果に大きく寄与したと考えられる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003304
カテゴリ うめ ねぎ 品種

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