カブリダニ類の効率的飼育装置の開発

タイトル カブリダニ類の効率的飼育装置の開発
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 果樹研究所
研究課題名
研究期間 2004~2008
研究担当者 岸本英成
足立 礎
発行年度 2004
要約  ハダニ類などの微小害虫に対する重要な天敵であるカブリダニ類を、効率的で簡便に飼育できる装置を開発した。本装置はカブリダニ類が好む微生息環境を人工的に作りだしており、多くの種に適用可能である。
キーワード カブリダニ、飼育、天敵
背景・ねらい
 カブリダニ類は、現在日本国内で85種が知られている。それらの中にはハダニ類、サビダニ類、及びアザミウマ類などの重要微小害虫を捕食するものが多く、有望な土着天敵として期待されている。しかし、ほとんどの種で効率的な飼育法が確立されていないため、生態や利用に関する研究が進んでいない。多くのカブリダニ類は、野外では葉の微細構造並びに鱗翅目幼虫やクモ目の巣内に好んで生息する。そこで、これらの微生息環境を人工的に作りだした、簡便で効率的なカブリダニ類の飼育装置を開発する。
成果の内容・特徴 1.
開発した新飼育装置を図1に示す。新飼育装置は、カブリダニ類の生息場所として、各穴底に毛糸を設置した細胞培養用24穴マイクロプレートを基材とする。このプレートは水を張ったプラスチック容器内に設置し、カブリダニの逃亡防止及び給水用として、ティッシュペーパーでプレート周辺を覆う。餌としては、チャ花粉(約10mg)を1~2日おきに細筆を用いて各穴にふりかける。
2.
本飼育装置(図2A)によるカブリダニ類の増殖効率を、他の飼育装置(図2B~D)と比較すると、ケブトカブリダニ、ニセラーゴカブリダニ、フツウカブリダニでは有意に高くなる(表1)。また、ミチノクカブリダニでは、他の装置と有意差がない場合もあるが、14日後には350個体(発育全ステージの合計)以上になり、きわめてよく増殖する(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
飼育容器内の乾燥を避けるため状況に応じてプラスチック容器に蓋をする。ただし、花粉にカビが生えやすくなるので高湿になりすぎないよう注意する。
2.
本飼育装置は多くのカブリダニ種が好む微生息空間を提供するものであり、試験に供した4種のカブリダニ以外にも、多くのカブリダニ種に適用可能と考えられる。
3.
本飼育装置によりカブリダニ類の系統維持が容易となり、カブリダニ各種の生物的特性に関する研究が進展するとともに、有力な天敵種の探索や生物的防除技術の確立が図られる。今後は大量飼育技術の可能性についても検討する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003267
カテゴリ 乾燥 飼育技術 生物的防除 土着天敵 微小害虫

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