大果で早熟なビワ新品種「涼峰」(りょうほう)(系統名:ビワ長崎6号)

タイトル 大果で早熟なビワ新品種「涼峰」(りょうほう)(系統名:ビワ長崎6号)
担当機関 長崎県果樹試験場
研究課題名
研究期間 1974~2004
研究担当者 根角博久
寺井理治
富永由紀子
福田伸二
稗圃直史
佐藤義彦
長門 潤
中尾 敬
吉田俊雄
浅田謙介
橋本基之
森田 昭
一瀬 至
発行年度 2004
要約 ビワ新品種「涼峰」(りょうほう)(系統名:ビワ長崎6号)*は、「楠」に「茂木」を交雑して育成した早熟な品種である。ほぼ同時期に成熟する「長崎早生」と比べ大果となる。また、果肉は柔軟多汁であり食味良好である。
キーワード ビワ、交雑、新品種、早熟、大果
背景・ねらい ビワの収穫期間は短く、経営規模を拡大する際の大きな障害となっている。特に優れた早熟な品種は少なく、果実がやや小さい「長崎早生」以外には経済栽培される品種がないため、新品種育成の期待が大きい。そこで、大果で早熟な個体の選抜を行った。
成果の内容・特徴
  1. 「ビワ長崎6号」は、1974年(昭和49年)に「楠」に「茂木」を交配して作出し選抜した品種である。1996年(平成8年)に開始されたビワ第二回系統適応性検定試験に供試してその特性を検討した結果、2004年(平成16年)の常緑果樹系統適応性・特性検定試験成績検討会において優秀性が確認され、新品種として適当であると結論が得られた。
  2. 果実は短卵形で果皮及び果肉は橙黄色である。果頂部は平で顎孔は開いている(図1)。
  3. 育成地における苗木の6年間の試作データの平均では、成熟期が5月中下旬で「長崎早生」とほぼ同時期である。また、果実は50g以上であり「長崎早生」や「茂木」と比べ大きい。一方、糖度や酸含量には有意な差は認められない(表1)。
  4. 育成地以外の千葉県から熊本県における試作試験においても、早熟で大果となる傾向は同様であり、果肉の香気は少ないが、柔軟多汁で食味が優れている(表2)。
  5. 果皮に紫斑症、裂果、そばかす症の発生が甚だしい場合ある。裂果は、成熟期に雨量の少ない瀬戸内地域で軽い傾向がある(表2)。
  6. 樹勢はやや強く、「長崎早生」と比べて枝がやや密に発生し、着花性も良好である。
  7. がんしゅ病C系統菌には罹病性であるが、がんしゅ病A系統菌に抵抗性で、比較的がんしゅ病に強い。
成果の活用面・留意点
  1. 「長崎6号」は早熟であり、「茂木」等の中・晩生品種との組合せにより、収穫労力を分散させ経営改善を図ることが可能である。
  2. 導入に際しては、気候、土壌などの条件によりそばかす症や裂果が多発することに留意して適地を選択する必要がある。また、紫斑症が発生する可能性があり、袋の種類等の検討が必要である。
*2005年9月15日付けでビワ長崎6号は「涼峰」(りょうほう)と命名され、びわ農林5号として登録・公表された。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003266
カテゴリ 経営管理 新品種 新品種育成 そば 抵抗性 品種 びわ 良食味

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