タイトル | ウメ太枝・太根の体積含水率変動の簡易推定 |
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担当機関 | 和歌山農総技 |
研究課題名 | |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
平岡潔志 木村 学 佐原重広 大江孝明 行森 啓 |
発行年度 | 2003 |
要約 | ステンレス製の釘をセンサープローブに用いた携帯型 TLO 土壌水分計の接触計測値は、樹体体積含水率との関係が高いことから、太枝や太根体積含水率の変動を簡単に推定できる。 |
キーワード | ウメ、樹体体積含水率、土壌水分計、太枝、太根 |
背景・ねらい | 近年、樹体体積含水率の年間変動から樹体内における水の貯蔵機能の解析が行われている。しかし、水の貯蔵機能を担う太枝や太根の体積含水率を成木において継続して計測することは容易ではない。そこで、ステンレス製の釘をセンサープローブに代用したTransmission Line Oscillation(TLO)土壌水分計の接触計測によるウメの太枝と太根体積含水率を推定する方法について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. ステンレス製の釘(長さ45mm直径2mm)2本を、3cm間隔で平行に、容易に接触できるように釘の頭部が5mm残るまで枝面に対して垂直に挿入する(図1)。 2. 3月に採取した直径8cm長さ15cmの太枝の中央部に釘を挿入し、室内でゆっくり乾燥させながら、重量と接触計測値を測定する。室内で乾燥した後80℃で乾燥して体積含水率と計測値の関係を求めると、高い相関関係(R2=0.96)が得られる。(図2)。 3. ウメ成木の太根、主幹、主枝、亜主枝の体積含水率を推定すると、体積含水率は地上部先端に向かって低く、各部位とも4月中旬に最も高く10月始めに最も低い(図3)。 4. 同じ園内に成育する健全樹と樹勢低下樹の体積含水率の年間変動を比較すると、樹勢低下樹の主枝や亜主枝で体積含水率の有意な低下がみられる(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 気象環境の変動や樹体・土壌管理が樹体体積含水率に与える影響を簡単に推定して比較できる。 2. TLO土壌水分計の表示は3けたと少ないため、ウメの樹体における計測値の年間変動は0.81から0.85の5段階と小さい。 3. 細い枝や根、異なる樹種については、計測法を改良する必要がある。 4. 肥大成長によって釘が埋もれると接触計測できなくなるため、釘の頭部が5mm出た状態で測定する。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003253 |
カテゴリ | うめ 乾燥 くり |
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