タイトル | ウメの雄性不稔性は核と細胞質の相互作用により支配される |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 果樹研究所 |
研究課題名 | |
研究期間 | 1970~2005 |
研究担当者 |
三宅正則 山口正己 土師岳 八重垣英明 |
発行年度 | 2002 |
要約 | ウメの結実に大きな影響を及ぼす雄性不稔性はモモやアンズの核型雄性不稔性とは異なり、核遺伝子と細胞質遺伝子の相互の作用によって支配されている核・細胞質型雄性不稔性である。 |
キーワード | ウメ、雄性不稔性、核・細胞質型、育種、遺伝様式 |
背景・ねらい | ウメの栽培において結実が不安定なことは大きな問題となっている。結実を不安定にする要因の一つとして雄性不稔性品種が多いことが知られているが、その遺伝様式についてはこれまでに明らかにされていなかった。そこでウメの雄性不稔性の遺伝様式及び雄性不稔性品種の交雑親としての利用の可能性を検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 果樹研究所で育成した16 組合せ、215 実生について花粉発芽率を調査し、交雑実生の稔性の分離を表1に示す。雄性不稔性×雄性稔性の組合せでは4組合せで全実生が雄性不稔性、2組合せで全実生が雄性稔性となり、3組合せで雄性不稔性と雄性稔性に分離する。雄性稔性×雄性稔性の組合せでは4組合せで全実生が雄性稔性となり、3組合せで雄性不稔性と雄性稔性に分離する。 2. 今回得られた結果は、核・細胞質型雄性不稔性の遺伝様式によく当てはまることからウメの雄性不稔性は核・細胞質型であることが示唆された。 3. 供試品種・系統の核遺伝子・細胞質型を表2に示す。(S)rfrf雄性不稔性品種、(S)Rfrf「月世界」、「梅郷」、「ウメ筑波7号」等である。 4. 「白加賀」等の雄性不稔性[(S)rfrf ]品種に「南高」、「竜峡小梅」等の稔性回復遺伝子を持たない(rfrf )品種を交雑しても雄性稔性実生は得られない。 5. 「南高」、「竜峡小梅」等の正常型細胞質(N)を持つ品種を種子親として交雑を行う場合、実生は全て雄性稔性となる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 雄性稔性の実生を効率的に獲得できる。 2. 核遺伝子・細胞質型が明らかになっていない品種・系統については後代実生の稔性の分離は推定できない。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003204 |
カテゴリ | あんず 育種 うめ 品種 もも |
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