皮接ぎを利用したカンキツ台木の樹勢調節能の早期評価法

タイトル 皮接ぎを利用したカンキツ台木の樹勢調節能の早期評価法
担当機関 果樹試験場
研究課題名
研究期間 2000~2000
研究担当者 高原利雄
緒方達志
藤澤弘幸
発行年度 2000
要約 カンキツ台木実生の主幹に別の台木の樹皮を皮接ぎすると、相対的に樹勢の弱い台木の樹皮を接いだ部分が太くなる。この現象を利用し、カンキツ台木の樹勢調節能を実生の段階で早期評価することが可能である。
背景・ねらい 樹園管理作業の省力化・軽労働化のためには、樹を小型に保つことが必要である。しかし、カンキツの品種によっては樹勢が強いために樹が大型化してしまうことがある。また、樹勢の弱い品種については、樹勢を適正に保つことが収量を確保するうえで重要である。これらの問題を解決するためには、穂品種に応じた適正な樹勢調節能を持った台木を利用することが非常に有効である。しかし、カンキツでは現在のところ利用できる優良台木が少ない。優良台木の育成は、多大な労力と長期間を要する。そこで、台木の選抜を効率化するため、台木の樹勢調節能を早期に判断する方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 圃場において‘大谷伊予柑’を各種台木に接ぎ木して 10 年以上栽培した結果、台木によって地上部の大きさが異なり、わい性の台木ほど台勝ち(穂木よりも台木が太くなる現象)が著しい(図1)。
  2. 台木品種の1年生実生の樹皮を5~7月に3~5cm 幅で剥ぎ取り、同様に樹皮を剥ぎ取った他の台木品種に皮接ぎしたところ、6ヶ月以内に圃場試験と同様にわい性台木の部分が太くなった(写真1)。すなわち、この方法は相対的な台木の樹勢調節能を早期に判断する方法として利用できる。
  3. 各台木とカラタチとの間で皮接ぎしたところ、木部径肥大量の比(木部径肥大率 図2)と‘大谷伊予柑’の台木試験における地上部の容積との間には直線的な相関関係が認められた(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 多大な労力、期間及び圃場面積を要するカンキツ台木の選抜が、効率的に進められる。
  2. ほとんどのカンキツ台木に適用できるが、キンカン(台木に使うと弱樹勢)には適応できないことを確認しているので、他の方法とも組み合わせて評価するとともに、最終的には圃場試験で樹勢調節能を確認する必要がある。
  3. カラタチの品種・系統間など樹勢調節能の差が小さい場合は、肥大の差もわずかとなるので、反復を増やすとともに生育期間をより長くする必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003149
カテゴリ 伊予柑 きんかん 省力化 台木 接ぎ木 評価法 品種 その他のかんきつ

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