組織培養個体を用いたブドウ灰色かび病抵抗性の検定法

タイトル 組織培養個体を用いたブドウ灰色かび病抵抗性の検定法
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究課題名
研究期間 1996~1997
研究担当者 粟村光男
井樋昭宏
松本亮司
能塚一徳
平川信之
鈴木勝征
発行年度 1997
要約 ブドウ灰色かび病に対する抵抗性は、灰色かび病菌毒素100ppmを添加した寒天培地(1/2MS、BA3μM)で1ヶ月間培養した腋芽個体と毒素無添加培地で培養した同個体との生体重比で検定できる。
背景・ねらい
 ブドウの病害抵抗性品種の育成は、農薬使用の減少による安全性指向、省力、コスト低減という点から非常に重要な課題である。しかし、病害抵抗性の個体を交雑実生の中から選抜するためには、多数の個体について充分な反復をとって短期間に検定しなければならず、効率的な検定法の開発が望まれている。
 灰色かび病菌の毒素添加培地を用いた抵抗性の検定は、Vannelら(1991)が果実について試みているが、検定に適する毒素濃度に関しては未検討である。
 わが国のブドウでは、開花期前後における灰色かび病抵抗性が重要である。そこで抵抗性の程度が判明している品種を用い、培地中の所定濃度の毒素が組織培養個体の生体重に及ぼす影響を調査した。その結果とほ場における抵抗性と比較し、検定に適した毒素濃度を特定する。
成果の内容・特徴
  1. 検定方法は以下のとおりである(図1)。
      (1) 1/2MS、BA3μMの寒天培地を基本培地とし、それに毒素を添加しない培地と所定濃度の毒素を添加した培地を作製する。
      (2) 各培地ごとに腋芽を6個体植え付け、4回反復する。
      (3) 25℃、3,000Lx(16時間/日)で1カ月間培養する。
      (4) 各個体の表面の水分をろ紙で取り去り、生体重を測定する。
      (5) 毒素添加培地の個体の毒素無添加培地の個体に対する生体重の比を求める。
  2. 添加する毒素濃度は、抵抗性との相関が最も高く認められる100ppmが適当である(表1、2)。
成果の活用面・留意点
  1. 交雑実生からの抵抗性個体の選抜および導入品種の抵抗性の評価に活用する。
  2. この検定方法は組織培養個体を用いるので、検定の反復を十分とることができ、季節 に関係なく実施できる長所があり、育種試験の中に無理なく導入することができる。
  3. 毒素は、ポテトデキストロース液体培地に灰色かび病菌を接種し、25℃、暗黒条件下 で7日間振とう培養した後、その培養ろ液に80%エタノールを加えて沈殿する画分を水 で希釈して得られる(Vannelら:1991)。
  4.  毒素量は、フェノール硫酸法で定量する(Duboisら:1951)。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003078
カテゴリ 育種 抵抗性 低コスト 農薬 品種 病害抵抗性 ぶどう

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