傾斜地カンキツ作における園内作業道・小型機械導入の経営経済的効果

タイトル 傾斜地カンキツ作における園内作業道・小型機械導入の経営経済的効果
担当機関 四国農業試験場
研究課題名
研究期間 1997~1997
研究担当者 関野幸二
高橋弘江
山田隆一
浅井 悟
発行年度 1997
要約 平均傾斜度25度のカンキツ園地における園内作業道・小型機械の導入は、慣行体系に比較し46.7時間/10a、35%の省力化を可能にする。また、機械償却費、園内作業道償却費、燃料費などが増加するが、大幅な省力化により労働費が減少するため、コストダウン効果が発生する。
背景・ねらい
四国地域の傾斜地は高品質カンキツの生産適地であり、地域の重要な作物であるが、傾斜地形や永年性作物という性格から機械化が遅れ、労働強度の高い作業を強いてきた。また、後継者の減少や放任園の増加という問題を抱えている。こうした状況に対応し、後継者に魅力ある果樹農業を展開していくために園内作業道や小型機械が開発されてきたが、ここではこれら新技術をカンキツ作に導入した場合の経営経済的効果を検討する。
成果の内容・特徴
  1.  試算は、平均傾斜度25度(最大40度)のウンシュウミカン園134aに、2樹列ごとの作業道(延長1,350m)と園内道(延長390m)を敷設し、風筒式防除機、クローラ型運搬機、施肥機の小型機械化体系(以下新技術体系と省略)を前提に行った。
  2.  新技術体系の10a当たり労働時間は87.5時間で、慣行作業体系と比較し、46.7時間(35%)の省力化を可能にする。収穫・運搬・薬剤散布作業での省力効果が実時間・割合とも大きい。特に防除機の導入はオペレータのみでの作業を可能にし、従来の動噴による手散布と比較して50%近い省力化となっている。また、機械化は多大な作業の軽労化効果をもたらす(表)。
  3.  10a当たり費用の変化は、機械導入による燃料費が2,761円、機械償却費が37,108円、園内作業道償却費が21,327円~24,451円の増加となる。他方、省力効果により労働費が64,679円減少する。この結果10a当たり生産費は360円~3,500円減少し、わずかながらのコストダウン効果が認められる(表)。
  4.  作業道設置に伴うウンシュウミカンの収量・品質への影響は、農家調査から縮伐や間伐で収量は一時的に減少するが、他方、密植状態が改善され、樹幹下部や内部の日照条件がよくなり、生果率や品質が向上することが認められる(表)。
  5.  省力化によって、整枝・せん定や摘果等の高品質生産にむけた栽培管理作業に振り向けられたり、園地購入という規模拡大効果が認められる(表)。
成果の活用面・留意点
  1.  カンキツ作における新技術(園内作業道・小型機械)導入の判断材料となる。
  2.  対象とした園地は山成り園であり、階段園や石垣園では作業道の造成費が異なる。
  3.  収量・品質への影響は、聞き取りから得られた農家の評価であり、具体的数値は今後さらに検討する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010003072
カテゴリ 温州みかん 機械化 機械化体系 規模拡大 経営管理 傾斜地 軽労化 コスト 栽培技術 省力化 施肥 防除 薬剤 その他のかんきつ

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