ペチュニアの覆輪花弁におけるアントシアニン関連化合物の部位特異的制御

タイトル ペチュニアの覆輪花弁におけるアントシアニン関連化合物の部位特異的制御
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究課題名
研究期間 2003~2007
研究担当者 朽津和幸(東京理科大理工)
斎藤涼子(東京理科大理工)
小関良宏(農工大工)
中山真義
発行年度 2007
要約  ペチュニアの覆輪花弁では、アントシアニン色素の合成だけでなく、フラボノイドの配糖化も色彩部位によって異なる。覆輪模様の境界部分の細胞は色の濃さが段階的に変化し、その変化の様子は覆輪の種類で異なる。
キーワード ペチュニア、覆輪、色素、アントシアニン、フラボノイド、配糖化
背景・ねらい
 花弁の外縁部と内部の色彩が異なる覆輪は、花きに高い価値を付加する性質であると共に、遺伝子の発現制御を理解するための有効な材料と考えられる。これまでペチュニアの覆輪花弁において、アントシアニン色素の量を制御する代謝段階を明らかにしている。覆輪花弁のアントシアニン関連化合物の構造と分布を明らかにし、部位特異的制御を受ける新たな代謝段階を特定する。また覆輪花弁の色素合成の変化を細胞レベルで観察することで、覆輪の種類による形成機構の違いを明らかにする。
成果の内容・特徴 1.ペチュニアの覆輪品種(図1、2)の花弁に存在する5種類の主要フラボノイド(F1-5)と3種類の桂皮酸誘導体(C1-3)の構造を明らかにした(図3)。F2、F4、F5、C3は新規化合物である。ペチュニアにおいては、フラボノイドのマロン酸エステル体(F2、F4)とp-クマル酸およびカフェ酸の配糖エステル体(C1-3)の存在に関する、初めての報告である。
2.外縁部着色-内部白色型品種の白色組織においては、ケルセチンの7位が配糖化されたF1、F2、F5の割合が着色組織よりも高い。特に7位とともに3’位が配糖化されたF5は、白色組織特異的に分布している(表1)。桂皮酸誘導体の分布には部位特異性は認められない。
3.外縁部着色-内部白色型品種では、過去に報告したフラボノールの合成に加え、ケルセチンの7位および3’位の配糖化も部位特異的な制御を受けて、白色組織で活性が高まっていると考えられる。
4.覆輪花弁における色彩の境界部位では、外縁部から内部に至る放射軸方向にかけて、色の濃さが細胞毎に段階的に変化している(図1、2)。外縁部白色-内部着色型品種(図1)の方が、外縁部着色-内部白色型品種(図2)よりも、同心円方向にかけて、細胞の色の濃さの均一性が高い。配色パターンの異なる品種間では、アントシアニン生合成の制御機構が異なっていると考えられる。

成果の活用面・留意点
1.覆輪花弁における部位特異的な遺伝子の発現機構を理解する手がかりとなる。
2.新たな模様を持つ品種を作出するための基礎的な知見となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002973
カテゴリ 品種 ペチュニア

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