花弁からの糖質の簡易・迅速抽出法の開発

タイトル 花弁からの糖質の簡易・迅速抽出法の開発
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究課題名
研究期間 2007~2007
研究担当者 加藤美紀(千葉暖地園研)
今西英雄(東京農大)
市村一雄
乘越亮
発行年度 2007
要約  花弁を熱エタノール溶液に浸漬した後、遠心分離することにより、花弁に含まれる糖質をホモジナイズせずに簡易・迅速に抽出できる2種類の方法を開発した。
キーワード カーネーション、簡易・迅速抽出法、キンギョソウ、デルフィニウム、糖質、バラ、ブルースター
背景・ねらい
 切り花において、糖質は蕾の開花促進や花弁の老化遅延に重要な役割を果たしている。そのため、糖質を抽出して定量することは、その機能を解析するうえで不可欠である。一般的に、糖質は熱エタノール中で酵素を失活させた後、ホモジナイズすることにより抽出される。しかし、これには多大な労力が必要である。そこで、ホモジナイズを不要とする糖質の簡易・迅速な抽出方法を開発する。
成果の内容・特徴 1.方法1では、花弁(新鮮重0.2g)を試験管中で100%エタノール2mLに浸漬し、75℃で20分間保持した後、内部標準を加える。花弁組織を遠心式ろ過ユニット(孔径0.45μm)に移し、12,000×gで10分間遠心分離する。ろ過液を試験管に戻し,ろ過ユニット内の組織残渣に100%エタノールを0.5mL加え再び遠心する。2回の遠心で得られたろ過液と試験管に残っていた液を合わせ、80℃で30分間加温し,乾燥した試料を分析に供する(図1)。抽出操作に要する時間は1時間以内であり、通常1日以上かかるエタノール抽出法(従来法)よりも格段に短い。
2.バラ、カーネーション、デルフィニウムおよびブルースターの花弁を材料として、簡易・迅速抽出法(方法1)と従来法で抽出し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を行った場合、糖質濃度に著しい差は認められない(表1)。
3.方法2では、花弁(新鮮重0.5g)を80%エタノール10mLに浸漬し75℃で20分間保持した後、内部標準を加える。花弁組織をエタノール溶液とともに多岐管式吸引ろ過ユニットに流し入れ、吸引ろ過する(図2)。ろ過液を乾燥し、分析に供する。
4.バラ、カーネーション、キンギョソウおよびデルフィニウムの花弁を材料として、簡易・迅速抽出法(方法2)とエタノール抽出法で抽出し、HPLC分析を行った場合、糖質濃度に著しい差は認められない。
5.方法1および2ともに、花弁から抽出した場合には組織残渣中の糖質含量は微量であることから、糖質は十分に抽出されていると判断される。

成果の活用面・留意点
1.方法1は濃縮機が不要であることが大きな長所である。方法2は操作がきわめて容易なことが最大の長所であり、試料の検体数が多い場合に有効である。
2.方法1および2ともに、バラ、カーネーション、デルフィニウムの葉と茎から抽出した場合も従来法との間に糖質濃度の著しい差は認められないことから、多くの器官に適用可能であると考えられる。
3.内部標準にはソルビトールを、またHPLC分析には鉛結合型陽イオン交換カラムを用いた。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002971
カテゴリ 乾燥 カーネーション デルフィニウム ばら ブルースター

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