タイトル | サイトカイニンはペチュニアの花の拡大作用を持つ |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 花き研究所 |
研究課題名 | |
研究期間 | 2002~2003 |
研究担当者 |
西島隆明 宮木英有(岐阜県郡上農改セ) 岡澤立夫(東京都中央農改セ) 佐々木和也(フラワーセンター21あおもり) 山岸菜穂(長野県南信農試) |
発行年度 | 2003 |
要約 | サイトカイニンは、ペチュニアの花を著しく拡大する生理作用を持つ。その作用は、主として細胞分裂の促進による。 |
キーワード | 花サイズ、サイトカイニン、ペチュニア |
背景・ねらい | 花きには、大輪品種が存在せず、大輪化することにより著しい観賞価値の向上が見込まれる品目が数多くある。しかし、通常、大輪化の育種には長期間を要する。また、夏季の高温による花の矮小化は、いくつかの花きで周年高品質生産を妨げる要因となっている。これらの問題は重要であるにも関わらす、花の大きさを決める生理的要因についてほとんど解明されていないため、研究の糸口が得られていないのが現状である。本研究では、植物ホルモンのサイトカイニンが、花を拡大させる未知の生理作用を持つことを見い出し、これらの問題について解明する足がかりを得た。 |
成果の内容・特徴 | 1. 花弁長が2mmに達した時点から、ペチュニアつぼみにサイトカイニンの20%アセトン水溶液を4 mlずつ2日に1回、開花まで投与することにより、ペチュニアの花は著しく拡大する(図1)。この拡大は、ホルクロルフェニュロン(CPPU)、ベンジルアミノプリン(BA)、Zeatinのいずれのサイトカイニンでも起こる。適濃度を超えた高濃度の投与は、花における皺の発生や葉緑体の残存といった副作用をもたらす(図1CPPU 10mmol/lを投与した花参照)。 2. サイトカイニンによる花の拡大程度には著しい品種間差があり、概して、大輪品種に比較して小輪品種で拡大率が高い傾向がある(図2)。 3. サイトカイニンによる花の拡大は、主として、花の発達過程における細胞分裂の促進による(図3)。 4. サイトカイニンによる花の大型化は、ストックやニチニチソウなどペチュニア以外の花きにも認められ、普遍性のある現象と考えられる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 花の大きさを決定する生理機構の解明に役立つ。 2. 植物ホルモンの生合成の制御によって花の大きさを制御するための基礎的知見として役立つ。 3. 適濃度を超えた高濃度のサイトカイニンの投与は、花弁における皺の発生や葉緑体の残存といった副作用をもたらす。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002923 |
カテゴリ | 育種 ストック 品種 ペチュニア |
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