タイトル | カーネーション萎凋細菌病抵抗性選抜用DNAマーカー |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 花き研究所 |
研究課題名 | |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
柴田道夫 小野崎 隆 谷川奈津 池田 広 |
発行年度 | 2002 |
要約 | カーネーション萎凋細菌病抵抗性の幼苗期における早期選抜に有効なRAPDマーカーWG44-1043を見いだし、STS化したDNAマーカーを開発した。 |
キーワード | カーネーション、DNAマーカー、萎凋細菌病抵抗性、RAPD、STS化 |
背景・ねらい | Burkholderia caryophylli(旧学名: Pseudomonas caryophylli)によって発生するカーネーション萎凋細菌病は、日本でのカーネーション栽培上最も重要な病害とされており、効果的な防除法がないため抵抗性品種開発が強く望まれている。花き研究所では世界に先駆けて抵抗性育種を進めているが、抵抗性検定には長期間を要する問題がある。そこで、幼苗期における早期選抜に有効な萎凋細菌病抵抗性遺伝子座に連鎖するDNAマーカーを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 465種類のランダムプライマー(12mer)を供試して、抵抗性に関与するRAPDマーカーバンドをバルク法により探索した結果、プライマーWG44によって得られる1043bpの増幅産物(RAPDのDNAバンド:WG44-1043)が、萎凋細菌病抵抗性と関連していることを見いだした(図1)。 2. 抵抗性中間母本‘農1号’とり病性栽培品種‘プリティファボーレ’の正逆交配によって得られた抵抗性分離集団134系統において、2菌株を用いて合計8回の浸根接種による検定を行い、各系統の平均発病率を算出した。RAPDマーカーWG44-1043の有無による平均発病率の差は36.6%と大きな差を示した(図2)。したがって、WG44-1043は作用性の大きい抵抗性遺伝子座に強く連鎖すると考えられる。 3. RAPDマーカーは再現性にやや問題がある。そこでWG44-1043の塩基配列を決定し、その塩基配列を基に18~20塩基のプライマー44-F80および44-R758を設計した(STS化)。STSマーカーの有無は、RAPDマーカーWG44-1043のバンドの有無と完全に一致した。したがって、萎凋細菌病抵抗性カーネーションの選抜マーカーとして有効であることが示された。STS化したマーカーは一般的PCR法で679bpの単一のバンドが安定に増幅するため、RAPDマーカーに比べ信頼性が高い(図3)。 4. 本DNAマーカーを用いることにより、抵抗性個体を幼苗期に予備選抜することが可能である |
成果の活用面・留意点 | 1. 得られたマーカーは抵抗性野生種D. capitatus由来の抵抗性遺伝子に連鎖したマーカーであるため、D. capitatusまたは抵抗性中間母本‘農1号’を抵抗性素材とする抵抗性育種において利用できる。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002907 |
カテゴリ | 育種 カーネーション 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性検定 DNAマーカー 品種 品種開発 防除 |
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