林業経営収支予測システム(FORCAS)の開発

タイトル 林業経営収支予測システム(FORCAS)の開発
担当機関 (独)森林総合研究所
研究課題名
研究期間
研究担当者 松本 光朗
鹿又 秀聡
岡  勝
細田 和男
発行年度 2008
要約 林分成長、材価評価による収入予測、伐出システムの選択及び地形条件による間伐・主伐のコスト予測を統合し、人工林の間伐から主伐までの収支を予測するパソコン用プログラム(フォーカス)を開発しました。
背景・ねらい スギ、ヒノキ、カラマツといった人工林では、間伐が必要であることは言うまでも無いことですが、間伐による収入と経費のバランスが見合わなければ実行できません。さらに、間伐による一時的な収支だけではなく、主伐までを考えた総合的な収支を予測し、施業計画を立てることが理想です。この時、最近の間伐の傾向をふまえ、強度間伐や列状間伐を含む様々な間伐様式に対応する必要があります。
このような背景から、様々な間伐様式に対応した収穫予測手法と、伐出システムや立地条件による収穫コストの予測を統合し、間伐から主伐までを見通したトータルな収支を予測するパソコン用プログラム FORCAS(FORrest management CAsh forecast System:フォーカス)を開発しました。
成果の内容・特徴

FORCASのしくみ

FORCASは、小班レベルの林分を対象として、成長や収穫に伴う収入の予測と、主間伐に伴うコストの予測を並行して行い、それらを合算することにより収支予測を行います。FORCASはマイクロソフト社のエクセルの上で作動するので、ほとんどのWindowsパソコンで利用することが出来ます。
収入予測の基礎となるシステム収穫表LYCSは、東京大学白石教授の開発したもので、間伐の時期や強度を自由に設定し、収穫表を求めるものです。これを全面的に改良し、より柔軟で使いやすい収入予測モデルを開発しました。適用樹種、地域はスギ(15地域)、ヒノキ(10地域)、カラマツ(4地域)です。
間伐や主伐に関わるコスト予測については、伐出システムと集材距離によりコストを推定するコストモデルを基礎に、伐採面積、平均単木材積、賃金を変数として加え、新たなコスト予測モデルを開発しました。現状で対応している伐出システムは、【林内作業車型:S1】伐採・造材:チェンソー、集材:ウインチ付き林内作業車、【集材機型:S2】伐採:チェンソー、集材:集材機、造材:プロセッサ、【タワーヤーダ型:S3】伐採:チェンソー、集材:タワーヤーダ、造材:プロセッサといった3種類ですが、今後より多くのシステムに対応していく予定です。

FORCAS の使用手順

FORCASの使用手順を図1に示しました。(1)まず、林分調査の結果を入力します。データが無い場合、省くことができます。(2)次に、材価と採材方法を入力します。(3)コストに関わる選択肢として、伐出システムや集材距離、施業面積、労務費を指定します。(4)主伐の時期、間伐の時期や強度、方法を指定し、実行します。(5)すると、指定に応じた収穫予測結果が表示されます。(6)さらに、収入予測・コスト予測とそれらを合算した収支予測が表示されます。その結果をふまえて、(3)、(4)の条件を変えながら予測を繰り返し、希望する施業計画を見つけ出します。

FORCAS による予測例

図2は、施業計画の違いと、伐出システムの違いによる収支予測の違いを示したものです。施業計画は定性間伐の長伐期、列状間伐の長伐期、強度間伐、無間伐といった4種類を、伐出システムは先に示したS1~S3の3種類を用いました。その結果、列状間伐と定性間伐の比較では、間伐収入は列状の方が多いものの、主伐までのトータルの比較では定性間伐の方が有利であることが分かりました。また、集材距離の短いこの条件では、林内作業車型が有利となることが分かりました。このように施業計画やコスト条件を変えて収支予測を簡易かつ迅速に行い、目的に応じて容易に比較検討できることがFORCASの最大の利点です。

FORCASの試用をご希望の方は森林総合研究所までお問い合わせ下さい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002840
カテゴリ 経営管理 コスト 収穫予測

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