にんじんの乾腐病(Fusarium solani)の発生状況と発病要因

タイトル にんじんの乾腐病(Fusarium solani)の発生状況と発病要因
担当機関 北海道立道南農業試験場
研究課題名
研究期間 1999~2000
研究担当者 新村昭憲
発行年度 2000
要約 にんじんの乾腐病は北海道道南地方で多発し、主な病原菌はFusarium solaniである。本病の発生は、にんじんの生育ステージと温度、土壌水分が関わっており、播種後60~83日の間に土壌水分が高く維持されると発病する。
背景・ねらい にんじんの乾腐病は、道南地方で発生が多く、重要な生産阻害要因になっている。しかし、本病は、病原菌が明らかになっているものの、発生生態は不明で、防除対策が全くないのが現状である。そこで、本病の発生生態を明らかにし、防除対策の資料とする。
成果の内容・特徴
1.アンケート調査:
道南地方の約75%の圃場で発生し、にんじん栽培歴が長い圃場で発生頻度が高く、高水分や滞水しやすい圃場、および高温年に多発するという例が多かった。
2.発生状況:
調査した31圃場の平均発病株率は33%で、土壌中の病原菌密度と発病株率にはゆるい正の相関があった。現地3圃場から抜取った乾腐病発病株から菌を分離した結果、約80%がF. solaniであり、もう一つの病原菌であるF. avenaceumは分離されなかった。
3.発病要因解析:
異なる土壌水分条件下でにんじんへ病原菌を接種すると、水分含量が高くなるにつれて発病が多くなった(図1)。また、ほ場容水量条件下では25℃以上では多発し、15℃~25℃では発病は少なかった。生育中のにんじんを定期的に汚染土に移植したところ、播種49日後の株では発病発病は認められず、74日後以降の株で激しく発病した(図2)。汚染土に播種したにんじんを、灌水によって一時的に水分飽和状態にしたところ、その時期が播種後50日目頃では発病は少なく、60~80日目では多くなり、90日目以降では発病は見られなかった(表1)。
4.現地の発病状況:
播種60日以前のものに発病は認められず、それ以降のまとまった降雨から20~30日後に発病が見られた。平成10年、12年の共選場におけるにんじん廃棄率は、多量の降雨の30日後に上昇しており、廃棄の主因は乾腐病によるものであった(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. ほ場の排水を良くし、排水を悪化させる管理作業(多水分時の作業等)をさける。
  2. 本病は初発後、急激に発病が増加するため、収穫適期になり次第早めに収穫する。
平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:にんじんの乾腐病の発生生態(指導参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002421
カテゴリ にんじん 播種 防除

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