りんごの成木期における葉診断に基づく窒素施肥対応と草生管理法

タイトル りんごの成木期における葉診断に基づく窒素施肥対応と草生管理法
担当機関 果樹部
研究課題名
研究期間 1999~1999
研究担当者 稲川 裕
三木直倫
発行年度 1999
要約 りんご「つがる」の果実の一果重と地色・着色を低下させない葉診断基準値は8月上旬の葉中窒素濃度2.0~2.5%、葉色6.5前後である。基準値内での「つがる」の窒素施肥量は4~7kg/10a、「ハックナイン」は無窒素栽培とするが、無窒素栽培でも葉診断基準値以上の場合は、樹冠下清耕部分にイネ科牧草を追播し葉中窒素濃度を下げる。
背景・ねらい 「ハックナイン」は果実品質の向上のため暫定的に無窒素栽培が採られているが、無窒素栽培の期限及び「つがる」の窒素施肥量の見直しが求められている。そこで「ハックナイン」と「つがる」の葉診断に基づく窒素施肥対応及び窒素循環制御のための草生管理法を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 「つがる」の果実の地色は8月上旬の葉中窒素濃度が概ね2.5%以上で悪化し、着色も窒素濃度の上昇に伴い低下する。一果重は2.0%以下で有意に低下する(図1)。
  2. 「つがる」の葉中窒素濃度は「ハックナイン」用葉色板を用いた葉色で簡易診断が可能であり、適正な葉色値は6.5前後である。
  3. 「つがる」は無窒素栽培によって葉中窒素濃度が低下し一果重、糖度が低下するが、窒素施肥量4~7kg/10aの範囲で葉診断基準値の適正域に維持される(表1)。
  4. 「ハックナイン」は、(1)樹冠下より通路の草生部分に伸張する根数密度が「つがる」より多く、(2)通路の草生部分の窒素循環量は12kg/10a内外であり、この循環する窒素を「つがる」より有効に吸収利用できる(表2)。このため無窒素栽培によっても葉診断基準値の適正域を下回ることがなく、また一果重の低下も認められない。
  5. 無窒素栽培によっても葉診断基準値を上回る「ハックナイン」は、樹冠下清耕部に吸肥力の強い牧草「ペレニアルライグラス」を追播することにより葉中窒素濃度を低下させ、果実の地色、着色を向上させる(図2)。
  6. 「ハックナイン」と「つがる」の成木期における窒素施肥と草生管理法を表3に示す。
成果の活用面・留意点
  1. 土壌窒素地力の高低の判定は「腐植含む」以下を低窒素地力、「富む」以上を高窒素地力圃場と区分する。
  2. 樹冠下に追播するイネ科草種は多回刈りに耐える草種を用いる。ペレニアルライグラスの場合、種子3kg/10aを樹冠下に散播、サイドロータリーで攪拌する。発芽後草丈20~30cmで刈り取る。2年目以降の刈り取りは慣行とする。
  3. 「つがる」に対する樹冠下「ペレニアルライグラス」追播は一果重、糖度を低下させるため行わない。

平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:りんご「ハックナイン」と「つがる」の成木期における窒素施肥と草生管理(指導参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002303
カテゴリ 簡易診断 施肥 りんご

この記事は