ねぎの小菌核腐敗病の発生生態と防除対策

タイトル ねぎの小菌核腐敗病の発生生態と防除対策
担当機関 北海道立道南農業試験場
研究課題名
研究期間 1997~1999
研究担当者 阿部秀夫
新村昭憲
発行年度 1999
要約 小菌核腐敗病は病原菌(Botrytis squamosa)の第一次伝染源となる分生子が、地表の菌核などから常に供給されており、20℃以下、土寄せなどによる保湿、高土壌水分の条件下で感染し、発病する。よって、平均気温20℃以下になる作型では、土寄せ前の薬剤散布、透排水性の改善、品種の選定などが防除対策として重要である。
背景・ねらい 北海道の露地ねぎの春まき夏秋どり作型に多発する小菌核腐敗病の発生生態を明らかにするとともに、耕種的および化学的防除法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 北海道のねぎに発生するBotrytis属菌による葉鞘部腐敗は、小菌核腐敗病(Botrytis squamosa)のほかに、白かび腐敗病(B.porri)、菌糸性腐敗病(B.byssoidea)、灰色かび病(B.cinerea)があり、後者3菌種は北海道では初めて確認された。
  2. 小菌核腐敗病は主に露地の夏秋どりに、白かび腐敗病と菌糸性腐敗病は主にハウスの冬~早春どりに発生し、収量・品質の低下をもたらす(表1)。
  3. 小菌核腐敗病の主要な越冬源となる菌核は、畑地の地表面では1年間程度生存するが、水田では3カ月以内、畑地の土中では8カ月以内に死滅する。よって、ねぎの連作を避け、完全な反転耕起は菌核の密度低減に役立つ。
  4. 小菌核腐敗病の主要な第一次伝染源である菌核からの分生子は、ねぎ栽培全期間を通じて形成されるが、感染・発病するか否かは環境条件によるところが大きい。
  5. 本病の感染・発病は20℃以下、土寄せなどによる保湿・高土壌水分が好適する(図1)。また、現地調査でも本病の発生は露地の10月・11月どり、越冬ねぎ、排水不良地、冷涼多雨年にそれぞれ多い傾向がある。従って、圃場の透排水性の改善と併せて、土寄せ後に平均気温が20℃以下になるような栽培では土寄せ前の薬剤散布が有効である。
  6. 散布薬剤としてはベノミル水和剤1、000~2、000倍またはイプロジオン水和剤1、000倍の1~2回散布が有効・実用的である(表3)。その持続効果はベノミル水和剤が約3週間、イプロジオン水和剤が約2週間と考えられる。
  7. チェーンポット苗にベノミル水和剤500倍液を1リットル/冊(CP303型)かん注処理して定植した場合には約2カ月間薬剤散布を必要としない(ただし、現在未登録)。
  8. 本病に対する抵抗性は、ねぎの品種・系統間で差があり(表2)、「冬扇2号」や「彩輝」などのF1品種は「元蔵」や「長悦」などの自殖品種より強いものが多いので、常発地では品種の選定も考慮する。
成果の活用面・留意点 露地ねぎの春まき夏秋どり作型に適用する。
平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:ねぎの小菌核腐敗病の発生生態と防除対策(指導参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002294
カテゴリ 栽培技術 水田 抵抗性 ねぎ 排水性 品種 防除 薬剤

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