簡易糞尿貯留施設におけるスラリーと雨水の分離技術

タイトル 簡易糞尿貯留施設におけるスラリーと雨水の分離技術
担当機関 北海道立根釧農業試験場
研究課題名
研究期間 1998~1999
研究担当者 稲野一郎
高橋圭二
木村義彰
発行年度 1999
要約 簡易糞尿貯留施設(ラグーン)のスラリーの上に雨水分離シート(防水シート)を設置し、あおり止めとしてシート上に散水することで、スラリーと雨水の簡易分離構造ができる。あらかじめ設置したホースを通して、スラリーの投入・搬出が可能である。
背景・ねらい 開放型の簡易スラリー貯留施設(ラグーン等)での雨や雪の混入によるスラリー処理量の増加、スカム発生による攪拌作業の増加を防止するため、簡易なラグーンの被覆方法を検討しその効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 雨水分離シートは、ラグーンを空にしてスラリー投入・搬出用ホースを固定し、ラグーン全体を覆う形で広げて設置する。シート周囲はコンクリートブロック等で固定し、速やかにシートの上に水道水等を投入してあおり止めとする(図1、写真1)。
  2. 雨水分離シートを設置したラグーンでのスラリーの投入は、ホースを介してスラリースプレッダやポンプなどで圧送する。搬出は、スラリースプレッダ等で吸引して汲み上げる。また、降雨と降雪による滞留水は水深20cm程度を目安として適宜排水する。
  3. 雨水分離シート上に鳥類の糞が付着していることや、使用する雨水分離シートの防水特性もあり、滞留水のカリウム濃度が降水の平均的濃度よりも高く推移する場合がある(表1)。また、雨水分離シートは日射等による劣化により、周辺部に破損が生ずる場合がある(写真2)。
  4. 面積25m×25mのラグーンでの雨水分離シート(一般名:ブルーシート等)の設置資材費用は176、820円で、面積あたりの単価は約283円/m2である。ブルーシートの耐久性は1~2年程度であるが、廃棄物貯蔵施設で使用されるプラスチック系防水シート等を用いると耐久性も高く、スラリーの影響を低く抑えることができる。
成果の活用面・留意点
  1. スラリーの投入・搬出用ホースの固定は耐腐食性の高い構造とする。
  2. 貯留スラリーの発酵等により雨水分離シートの下部にガスが溜まりシートが膨張するが、滞留水の水深を20cm程度で維持することにより、膨張部分が風で岸に吹き寄せられてガスが抜ける。
  3. 雨水分離シートのスラリーと接する部分に破損が生じた場合には、滞留水はスラリーと混合して圃場に散布し、速やかに雨水分離シートを交換する。
  4. 雨水分離シートのスラリーと接する部分に破損がなく滞留水の透明度も高い場合には、そのまま排水しても問題ないと考えられるが、適宜、簡易水質検査キット等を用いて水質検査を実施する。

平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:寒冷地における家畜糞、尿、雨水等の簡易分離技術(寒冷地における家畜ふん、尿、雨水等の簡易分離技術の開発)(指導参考)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002215
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