水稲乾田直播における適正播種量の推定と苗立ち安定化法

タイトル 水稲乾田直播における適正播種量の推定と苗立ち安定化法
担当機関 北海道農業試験場
研究課題名
研究期間 1999~1999
研究担当者 粟崎弘利
大下泰生
渡辺治郎
湯川智行
平岡博幸(国際農研)
発行年度 1999
要約 播種深度などの播種条件と苗立ち率との関係を示す重回帰式を求めることにより、播種条件に応じた適正播種量を推定できる。また、タンパク質含有率の高い種子を利用すると寒地の乾田直播においても酸素発生剤を無粉衣で苗立ちを高められる。
背景・ねらい 水稲の寒地乾田播種早期湛水栽培(乾田直播)における苗立ちの良否は、収量に大きく影響を与える要因であるため、これを安定化する技術開発は本栽培法の重要な事項である。ここでは、まず播種深度や播種時の気温などの播種条件と苗立ちとの関係について重回帰分析を用いて明確にし、播種条件に応じた適正播種量の推定法について試みた。さらに、タンパク質含有率の高い種子の苗立ち安定化作用について寒地の乾田直播への適用を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 苗立ち率は播種深度が深くなるにつれて低下し、とくに、播種深度が3㎝では大きく低下する。また、播種深度が深くなると酸素発生剤の効果も低減する(図1)。
  2. 苗立ち率を目的変数に、播種深度、酸素発生剤の有無、播種時および湛水時の気温を説明変数にした重回帰式を変数増減法により得た(表1)。最良重回帰式の説明変数からは播種時の気温が除かれた。
  3. 重回帰式によると(図2)、苗立ち率は湛水期が遅れると徐々に高くなり、播種深度が深くなると急激に低下する。また、酸素発生剤は苗立ち率を9%程度高める効果が認められる。
  4. 播種深度が1㎝で、酸素発生剤を用いて気温が11.5℃の時に湛水した場合の苗立ち率(68%)を基準として、異なる播種条件下での苗立ち率との比率を求めることにより、播種量の増減割合や適正な播種量を推定することができる(図3)。
  5. 発芽・苗立ちが高められるタンパク質含有率が高い種子の寒地乾田直播への適用をみると、高タンパク種子の苗立ち率は酸素発生剤を粉衣しなくとも粉衣種子と同等程度となり、特に播種深度が深くなった場合に効果的になることが示された(図4、5)。
成果の活用面・留意点
  1. 寒地の乾田直播の苗立ち安定化の強化に活用できる。
  2. 高タンパク種子の利用は酸素発生剤を使用しない乾田直播の可能性を示唆し、このことは生産コストの低減や春作業の労働軽減に寄与する。
  3. 乾田直播で用いられている品種「ゆきまる」に適用する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002191
カテゴリ 寒地 乾田直播 コスト 水稲 播種 春作 品種

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