タイトル |
緑肉の良食味メロン新品種候補「空知交5号」 |
担当機関 |
北海道立花 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
宮浦邦晃
志賀義彦
中住晴彦
中野雅章
土肥紘
平井剛
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発行年度 |
1997 |
要約 |
「空知交5号」は、良食味の緑肉メロンで、着果性・果実肥大性に優れ、外観品質も良好である。うどんこ病抵抗性及びつる割病抵抗性(レース0・レース2)を有する。
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背景・ねらい |
北海道の緑肉メロン生産は「キングメルティー」を基幹品種として発展してきた。「キングメルティー」は食味、肉質が優れているが、栽培上の欠点が多く栽培面積の減少が著しい。「キングメルティー」の優れた食味・肉質を維持し、欠点である着果性、果実の肥大性、外観品質及び耐病性を改良した品種の育成を目標とした。
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成果の内容・特徴 |
- 「キングメルティー」と比べて、苗の生育はやや旺盛で、草勢はやや強く、側枝(むだづる)の発生が少なく、葉色はやや濃い。
- 着果性が「キングメルティー」より優れ、収穫果率・良果率が高く、一果重も大きいため、「キングメルティー」より多収である。
- 「キングメルティー」に比べ開花始めは2日、平均収穫日は4日遅い。果実の成熟日数は「キングメルティー」より2~3日長い49日である。
- 収穫時期の判定難易は「キングメルティー」と同程度でやや難である。
- 果実の肥大性は「キングメルティー」より非常に優れ、果形及びネットも優れる。果皮色は灰緑色で、成熟に伴い黄化する。
- 肉は厚く、淡緑色で「キングメルティー」よりやや淡い。肉質は「キングメルティー」並みと良好である。
- 果実の糖度は「キングメルティー」よりやや低いが、食味は同等である。
- 日持ち性は「キングメルティー」と同等かやや優れる。追熟日数は3日、食べ頃の持続日数は3日である。
- うどんこ病、つる割病(レース0、2)に抵抗性を有する。
- 株当たり着果数は4果、着果節位は「キングメルティー」の標準栽培より2節低い6~10節が適当である。
- ハウス半促成・早熟栽培では良品質果実が生産されるが、トンネル早熟栽培では土壌の過湿、ハウス抑制栽培では高温によるとみられるヒルネットの発生及び過肥大がみられる。
(表1), (表2)
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象地域は全道のメロン栽培地域、適応作型はハウス半促成栽培とハウス早熟栽培である。
- 窒素施肥量は「キングメルティー」より減肥する。
- 過肥大とヒルネットの発生を抑えるため、潅水は「キングメルティー」より控えめとする。
- ネット形成を促すための「蒸しこみ」は不要である。
- 「キングメルティー」と同様に日持ち(店もち)が短いため、流通期間が短い産地直送や地場消費などの流通方法を採る必要がある。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010002011 |
カテゴリ |
うどんこ病
新品種
施肥
抵抗性
品種
メロン
良食味
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