十勝地域の野菜畑作複合経営における作付方式の実態

タイトル 十勝地域の野菜畑作複合経営における作付方式の実態
担当機関 北海道立十勝農業試験場
研究課題名
研究期間 1997~1997
研究担当者 浦谷孝義
発行年度 1997
要約 十勝地域では、畑作物を基幹とする土地利用の中に野菜が取り込まれているが、輪作に野菜を明確に位置づける経営は少ない。輪作を阻害する主な理由は土地条件不良である。
背景・ねらい 野菜部門は今後の十勝農業にとって重要な位置づけを与えられており、その担い手で
ある野菜畑作複合経営の持続的な展開をはかるために、適切な作物構成と規則性のある
作物交代に基づく作付方式を確立することが必要である。そのため、ここでは野菜畑作
複合経営における作付方式の実態を把握し、その問題点を整理する。
成果の内容・特徴
  1. ①畑作経営に野菜が導入・拡大されることにより畑作物の作付は影響を受け、その
    影響は品目・作物間で相違がみられる。
    ②輪作の特徴は、ア)てん菜または馬鈴しょを基幹 とする4年輪作が支配的であり、畑
    作物を基幹とする土地利用の中に野菜が取り込まれ ている(表1)。イ)輪作に野菜を明
    確に取り込んでいる農家は少なく、かつ品目間で差が みられる(表2)。
    ③輪作の実施率は必ずしも高くなく、輪作を阻害する主な理由は土 地条件不良と労働
    力不足である。野菜の輪作が不可能な圃場を持つ農家は90%以上あり、その理由は品目
    によって異なる。
    ④野菜の前作ないし後作が未確定という農家は50%前 後に達し、また、確定している
    場合も後作の畑作物はばらついている(表3)。
    ⑤農家 は野菜の作付間隔の確保に留意しており、想定している作付間隔は品目によっ
    て若干異なるが2~5年が多い。
    ⑥野菜畑作複合経営において、野菜と畑作物からなる輪作を見 出すことはできなかった。
    これら経営では基幹作物は畑作物であり、野菜は補完的な位 置づけにとどまって
    いるためと考えられる。
  2. ①野菜後の畑作物への施肥を加減する農家は55%で、基肥を減らす農家が多い。
    ②麦稈は堆肥との交換(62%)や販売(28%)として利用され、豆がらは焼却処分が
    過半を占めている。
    ③堆肥を調達している農家は91%あり、酪農に由来する堆肥が65%、肉牛に由来する堆
    肥が30%である。堆肥は、主にてん菜(66%)とながいも(71%)に投入 されてい
    る。
    ④畑作物が後作の野菜に与える影響としては、悪影響の方が多いと考える 農家が多
    く、特に病虫害の発生を懸念している。悪影響を受けやすいと指摘されている 品目は
    だいこんである。
    ⑤野菜と畑作物の前後作関係で発生するものとして病虫害が多 く指摘されるが、これ
    までの知見と合致するものは少ない。
  3. ①野菜と畑作物との間での労働競合は大部分は野菜の収穫作業と畑作物の収穫作業
    との間で発生し、春作業での競合は多くない。
    ②野菜の収穫作業は、家族労働力と雇用で行われる場合が多く、にんじんでは作業委託
    (受託者は出荷先)、だいこんでは共同作業が一部で行われている。
成果の活用面・留意点
  1. 野菜畑作複合経営の作付方式に関する経営研究・技術研究を推進する際の情報として
    活用できる。
  2. 対象経営の構成作物は十勝特有なものであり、他地域で活用する場合には留意が必要
    で ある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010001991
カテゴリ 経営管理 出荷調整 施肥 だいこん 肉牛 乳牛 にんじん 春作 ばら 輪作

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