植物形質膜H+-ATPaseに対する抗体の作製

タイトル 植物形質膜H+-ATPaseに対する抗体の作製
担当機関 北海道農業試験場
研究課題名
研究期間 1997~1997
研究担当者 笠原賢明
発行年度 1997
要約 イネ形質膜H+-ATPase親水性領域をコードする遺伝子とマルトース結合蛋白質遺伝子から融合蛋白質遺伝子を構築し、大腸菌で発現、融合蛋白質を精製した。この蛋白質を抗原として植物形質膜H+-ATPaseと特異的に結合する抗体を得た。北海道農業試験場・生産環境部・養分動態研究室[連絡先] 011-857-9243
背景・ねらい 植物細胞は細胞膜内外の電位差及坤pH勾配に従って養分となるイオンを吸収している。形質膜H+-ATPaseはATPの分解エネルギーを用いて養分吸収に必須な形質膜内外の電位差及びpH勾配を作り出している。作物の養分吸収機構を解析し、養分吸収の能力を解明するために形質膜H+-ATPaseの研究が必要である。一般に酵素の研究には高純度のものが多量に必要であるが、形質膜H+-ATPaseは膜蛋白質であり存在量が少ないため精製が困難である。そこで大腸菌による形質膜H+-ATPaseの発現系を構築し、大量精製を行い、研究に有用な抗体の作製を試みた。
成果の内容・特徴 大腸菌で植物形質膜H+-ATPase(一部分)を生産し、精製した。精製した蛋白質を用いて抗体を作製した。この抗佐は植物形質膜H+-ATPaseと結合した。
具体的手法は以下の通りである。
(図1)。
2. 構築した遺伝子で大腸菌(TBl株)を形質転換し、0.3mMのisopropyl-b-D(-)-thiogalactopyranoside(IPTG)の添加により蛋白質合成を誘導した。融合蛋白質の発現は電気泳動(SDS-PAGE)、およびタグに対する抗体を用いたimmunoblotにより確認した。発現した蛋白質の分子量は融合蛋白質の予想分子量96Kに近いものであった。
(図2)。この融合蛋白質は抗体作製のために充分な純度であった。
(図3)。免疫染色による染色強度は膜画分のH+-ATPase活性とおおよそ対応していた。またこの抗血溝は大豆根抽出液中の分子量約100kの蛋白質と結合した。なお、抗MBP抗体と反応する蛋白質が植物に存在しないことは確認済である。
成果の活用面・留意点 1. この抗体は植物形質膜H+-ATPaseの検出に利用できる。
2. 大腸菌から精製した蛋白質を抗原として抗体作製を行ったことにより、植物のH+-ATPase馳以外の蛋白質とこの抗体が結合する可能性は極めて低い。
3. 抽出液から検出する場合には、植物体内のH+-ATPase量は少ないため、免疫染色を行う際に増感法を用いる必要がある。
 
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010001985
カテゴリ 大豆

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